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2023 年度 実施状況報告書

ジャンプ型確率過程に対する部分積分公式を焦点とした確率解析の展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K03641
研究機関東京女子大学

研究代表者

竹内 敦司  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (30336755)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードジャンプ型確率過程 / マリアヴァン解析 / 部分積分公式 / リーマン多様体 / 数理ファイナンス
研究実績の概要

研究期間の4年目である2023年度は、拡散項の係数がヘルダー連続であるような確率微分方程式に関する研究を精力的に進めてきた。このような方程式は数理ファイナンスの中では自然に登場し、非常に有名なBlack-Scholesモデル、金利モデルの典型例の一つであるCox-Ingersoll-Rossモデル、さらに定弾性分散モデルなどがその典型例として挙げられる。このような確率微分方程式について、方程式の出発点、拡散項の係数内のヘルダー連続性を記述する指数、さらに時刻に関して、モーメント評価を経由する形で連続性を詳細に調べた。さらに確率微分方程式の解が入った形での期待値の計算に関して、それぞれのパラメータに関する収束性について検討した。その収束の速さの中にもヘルダー連続性を記述する指数の影響が登場し、非常に興味深い結果となっている。現在、研究結果の取りまとめ作業を行っており、作業が完了し次第、学術雑誌に投稿を予定している。

2023年度の後半あたりからは、神経モデルに関係したジャンプ型確率微分方程式について、部分積分公式を経由して、密度関数の性質を調べることができないかどうかを、確率解析の立場から研究を進めている。さらに、リーマン多様体上でのジャンプ型確率過程について、ジャンプ部分をブラウン運動を用いて近似し、ウィーナー空間上でのマリアヴァン解析を活用することによって、密度関数の性質について研究してきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マリアヴァン解析を含んだ確率解析の立場から、いろいろなトピックスに関する研究に取り組み、思い描いていたような形での研究結果は順調に得られてきている。新型コロナウィルスの影響により、やや遅れ気味になっていた進捗状況はかなり改善されてきたように思われる。

今後の研究の推進方策

2023年度の後半あたりから精力的に取り組んでいる、神経モデルに関連したジャンプ型確率過程について、マリアヴァン解析の立場から研究を進めることを考えている。ジャンプ型確率過程に対するマリアヴァン解析は、考察の目的に応じていくつかの方法が知られている。ただし、現在取り扱っているモデルについては、これまでとは少し異なった設定になっているため、別のアプローチを模索しなければならないと考えている。この問題について、重点的に考えてゆきたい。
また、リーマン多様体上のジャンプ型確率過程について、マリアヴァン解析の立場から、より詳細な密度関数の性質を調べてゆきたい。特に幾何学的な情報が密度関数の性質の中で、どのような役割を果たしているのかを、積極的な立場から明らかにしてゆきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

研究期間の最初の頃に、新型コロナウィルスの感染拡大の影響があったため、その分の影響が生じてしまっている。今年度も海外出張を予定しており、図書の購入や研究打ち合わせなど、昨年度と同様の使用を計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Wasserstein distance on solutions to stochastic differential equations with jumps2024

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Takeuchi
    • 雑誌名

      Osaka Journal of Mathematics

      巻: 61 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Space-time boundedness and asymptotic behaviors of the densities of CME-subordinators2024

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Masafumi、Takeuchi Atsushi、Yamazato Makoto
    • 雑誌名

      Stochastic Processes and their Applications

      巻: 167 ページ: 104232~104232

    • DOI

      10.1016/j.spa.2023.104232

    • 査読あり
  • [学会発表] Wasserstein distance on solutions to stochastic differential equations with jumps2023

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Takeuchi
    • 学会等名
      RIMS Conference: Stochastic Analysis
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Asymptotic expansions of solutions to stochastic differential equations with jumps2023

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Takeuchi
    • 学会等名
      the 11th meeting on Probability and PDE
    • 招待講演
  • [学会発表] Integration by parts formulas for marked Hawkes processes2023

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Takeuchi
    • 学会等名
      the 34th European Meeting of Statistics
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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