四元数値関数の時間周波数解析

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 20K03653
• 研究機関: 大阪教育大学
• 研究代表者: 芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
• 研究分担者: 萬代 武史 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (10181843) ; 守本 晃 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50239688)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 不確定性原理 / 分数冪フーリエ変換

研究実績の概要

四元数値関数のフーリエ変換の様々な性質を研究してきたが，フーリエ解析の不確定原理タイプではなく，ドノホー・スタークタイプの不確定原理が成立するのかどうかを研究した.そこでフーリエ変換を分数冪フーリエ変換に拡張した場合の幾つかの不確定原理がどのようなるかを研究した．結果として分数冪フーリエ変換に関するドノホー・スタークタイプの不確定原理が得られた．これら結果は，幾つかの国際会議で発表し，以下の論文として公開している．Mawardi Bahri and Ryuichi Ashino: Solving Generalized Wave and Heat Equations Using Linear Canonical Transform and Sampling Formulae,　Abstract and Applied Analysis, Hindawi, 2020. Mawardi Bahri and Ryuichi Ashino: Uncertainty principles related to quaternionic windowed Fourier transformInternational Journal of Wavelets, Multiresolution and Information Processin,，World Scientific. 芦野隆一, David Leigh Donoho 氏の業績数学日本数学会. Mawardi Bahri and Ryuichi Ashino: Detection of Rotation Angles on Image Separation Problem Analysis, Probability, Applications, and ComputationSpringer Nature, 2019. Mawardi Bahri and Ryuichi Ashino:
Convolution and correlation theorems for quaternion Fourier transformation based on the orthogonal planes
split, 2019 International Conference on Wavelet Analysis and Pattern Recognition (ICWAPR).

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

以前からフーリエ変換を四元数値窓フーリエ変換にした場合に
フーリエ解析の不確定性原理がどのように拡張できるかという研究に興味を持っていた．
そのため，研究の枠組としてはフーリエ変換を様々な積分変換に拡張して，
様々な積分変換の不確定原理を研究するという問題から不確定性原理を考え直すことにした．
そこでフーリエ変換を分数冪フーリエ変換に拡張した場合の幾つかの不確定原理がどのようなるかを研究した．

今後の研究の推進方策

本研究で得られた結果をさらに深めるには，
積分変換を分数冪フーリエ変換から別の積分変換に変更し，ドノホー・スタークタイプの不確定原理を研究することである．
さらに四元数値関数の場合の不確定原理の研究に発展させてゆくが次の目標である．

次年度使用額が生じた理由

コロナのため，研究集会ができなくなった．

研究成果

• [雑誌論文] Solving Generalized Wave and Heat Equations Using Linear Canonical Transform and Sampling Formulae (2020)
  • 著者名/発表者名: Bahri Mawardi、Ashino Ryuichi
  • 雑誌名: Abstract and Applied Analysis 巻: 2020 ページ: 1～11
  • DOI: 10.1155/2020/1273194
• [雑誌論文] An Inequality for Linear Canonical Transform (2020)
  • 著者名/発表者名: Bahri Mawardi、Ashino Ryuichi
  • 雑誌名: Sensor Networks and Signal Processing Proceedings of the 2nd Sensor Networks and Signal Processing, 巻: (SNSP 2019 ページ: 311～323
  • DOI: 10.1007/978-981-15-4917-5_24
• [学会発表] Some Properties of Fractional Wavelet Transform and its Relation to Conventional Wavelet Transform (2020)
  • 著者名/発表者名: Ryuichi Ashino
  • 学会等名: The Third International Conference on Mathematical Characterization, Analysis and Applications of Complex Information (CMCAA 2020) Sept 11th - Sept 13th 2020, Beijing, China
  • 国際学会 / 招待講演