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2023 年度 実施状況報告書

一般調和解析に由来する増大条件を伴う関数空間の深化と展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K03663
研究機関日本大学

研究代表者

松岡 勝男  日本大学, 経済学部, 研究員 (70165778)

研究分担者 水田 義弘  広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 名誉教授 (00093815)
中井 英一  茨城大学, 理工学研究科(理学野), 特任教授・名誉教授 (60259900)
澤野 嘉宏  中央大学, 理工学部, 教授 (40532635)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード増大条件を伴う関数空間 / central Morrey空間 / λ-CMO空間 / central Campanato空間 / Lipschiz空間 / Herz空間 / Orlicz空間 / modified Rieszポテンシャル
研究実績の概要

増大条件を伴う関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性について,増大条件を伴う関数空間とそのOrlicz versionの適切な定義を導入するために、central Morrey空間のOrlicz versionとRieszポテンシャルの有界性の2022年度の共同研究に続いて、海外協力者Lech Maligranda(Lulea University of Technology, Sweden; Poznan University of Technology, Poland)と始めた増大条件を伴わない関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性の共同研究「λ-CMO空間とmodified Rieszポテンシャルの有界性」に関して、漸くLipschiz空間を含む結果を見出し、その結果を吟味している。
さらに、増大条件を伴う非斉次weighted central Morrey空間の適切な定義を導入するために始めた研究「sublinear作用素のcritical indexを超えたindexをもつweighted Herz空間上での有界性」に関して、その結果を雑誌に投稿中である。
また、増大条件を伴うweak関数空間およびそのOrlicz versionと作用素の有界性について、これまでのweak関数空間が広すぎる関数空間との観点から、weak関数空間より狭い有用な関数空間を見出すための条件の吟味をHerz空間に対して始めた。
なお、研究分担者中井英一との共同研究、澤野嘉宏との共同研究については、2022年度に引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、直接会って検討する機会を持てず、そのため実績が上がっていない状況である。
そのような状況の中で、研究分担者水田義弘によるRieszポテンシャルのOrlicz空間上でのHardy-Sobolev不等式、変動RieszポテンシャルのHardy-Littlewood-Sobolevの定理についての結果が、中井英一によるOrlicz-Morrey空間、weak Orlicz-Morrey空間上での一般化分数冪積分作用素、極大作用素の有界性の特徴づけの結果が、また松岡勝男による作用素の有界性に関する一般論の共同研究の結果が、澤野嘉宏によるneural networkの共同研究の結果が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2023年5月当初から、日本大学経済学部研究紀要の私の退職記念号 (第98号) の出版準備に多大な時間がかかり、12月25日に漸く出版に漕ぎ着けたという状況のため、新型コロナウイルス感染拡大防止の事情もあって、研究のために多くの時間を確保できず、研究が停滞してしまった。そのため、2021、2022年度に引き続き、今年度もその目的の多くを達成することができず、少ない実績しか上げることができなかった。それ故、当初計画した目的の現在までの進捗状況は、2021、2022年度に引き続き大幅に遅れている状況である。
増大条件を伴う関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性については,研究分担者の中井英一と検討している増大条件を伴う非斉次central Morrey空間を用いて、そのOrlicz versionの適切な定義を導入するために、海外協力者Lech Maligrandaと続けている増大条件を伴わない関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性の共同研究「λ-CMO空間とmodified Rieszポテンシャルの有界性」に関して、強有界性、弱有界性に加えてLipschiz有界性を含む結果を導くことができ、現在その吟味をしている状況である。
さらに、中井英一と始めた共同研究「増大条件を伴う非斉次central Morrey空間と一般化Rieszポテンシャルおよび modified 一般化Rieszポテンシャルの有界性」については、増大条件を伴う非斉次central Morrey空間の predualを構成するために、増大条件を伴わないcritical indexを超えたindexをもつweighted Herz空間とその上でのsublinear作用素の有界性に関して、power weightの場合に結果を導くことができ、雑誌に投稿し、現在その結果を待っている状況である。
また、増大条件を伴う関数空間と作用素の弱有界性について、より有用な作用素の弱い有界性を見出すことを考え、通常の関数空間とweak関数空間の間の関数空間として適切な空間を構成するために、Herz空間に対して妥当な条件の検討を始めた。

今後の研究の推進方策

これまでの新型コロナウイルス感染拡大防止の措置により、計画した目的の全体としての進捗状況の大幅な遅れを取り戻すことができていないことから、研究分担者や研究協力者との連絡をこれまで以上に密にして、以下のように共同研究を推進していく。
増大条件を伴う関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性については,これまでに得られた増大条件を伴わない関数空間のOrlicz versionに関する結果により、う増大条件を伴う非斉次central Morrey空間のOrlicz versionの適切な定義の導入と、その上での種々の作用素の有界性の条件を見出すことの検討を進めていく。
上記で検討される増大条件を伴う非斉次central Morrey空間に関して、一般化Rieszポテンシャルの有界性については、適切な増大条件を見出すとともに、modified一般化Rieszポテンシャルの適切な定義の導入と増大条件を伴う非斉次central Morrey空間上での有界性の条件を見出すことの検討を進めていく。また、増大条件を伴う非斉次central Morrey空間のpredualと作用素の有界性については、先ず predualの適切な構成を見出し、続いてその上での種々の作用素の有界性との関係について検討を進めていく。
新しく検討を始めた増大条件を伴うweak関数空間と作用素の有界性については、新しく導入する増大条件を伴わないweak Herz空間の条件の適切さを吟味するために、この新しいweak Herz空間のOrlicz version、変動指数versionの構成とともに、作用素の有界性との関係について検討を進めていく。その上で、新しい増大条件を伴うweak Herz空間の構成および作用素の有界性との関係の検討を始める。

次年度使用額が生じた理由

今年度も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、国外への出張を見合わせることにし、さらに国内の出張についてもできる限り自粛することにした。そのため、旅費が全く使用されなかった。また、大学においても、大部分が対面授業に戻ったが、授業時間以外の外出をできる限り避けたことから、図書費、PC消耗品とデスクトップパソコンなどの修理費に経費を使用するのみであった。これらのことが次年度に使用額が生じた大きな要因である。そこで、今年度までの経費の残額分については、次年度 (2024年度) 以降で使用することとし、新型コロナウイルス感染症の感染状況を考慮しながら、可能な限り国内・国外への研究打ち合わせのための出張を検討し、そのための旅費として使用したい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] Lulea University of Technology(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      Lulea University of Technology
  • [国際共同研究] Poznan University of Technology(ポーランド)

    • 国名
      ポーランド
    • 外国機関名
      Poznan University of Technology
  • [雑誌論文] Global universality of the two-layer neural network with the k-rectified linear unit2024

    • 著者名/発表者名
      Hatano Naoya, Ikeda Masahiro, Ishikawa Isao, Sawano Yoshihiro
    • 雑誌名

      Journal of Function Spaces

      巻: 2024 ページ: 1~6

    • DOI

      10.1155/2024/3262798

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 数域半径不等式について2023

    • 著者名/発表者名
      松岡勝男, 瀬尾祐貴
    • 雑誌名

      日本大学経済学部研究紀要

      巻: 98 ページ: 1~6

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Hardy-Sobolev inequalities for Riesz potentials of functions in Orlicz spaces2023

    • 著者名/発表者名
      Mizuta Yoshihiro, Shimomura Tetsu
    • 雑誌名

      Acta Mathematica Hungarica

      巻: 171 ページ: 221~240

    • DOI

      10.1007/s10474-023-01389-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hardy-Littlewood-Sobolev theorem for variable Riesz potentials2023

    • 著者名/発表者名
      Mizuta Yoshihiro, Ohno Takao, Shimomura Tetsu
    • 雑誌名

      Results in Mathematics

      巻: 78 ページ: 1~22

    • DOI

      10.1007/s00025-023-01869-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多変数フーリエ級数の収束問題とガウスの円問題2023

    • 著者名/発表者名
      中井英一
    • 雑誌名

      日本大学経済学部研究紀要

      巻: 98 ページ: 143~161

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Characterization of the boundedness of generalized fractional integral and maximal operators on Orlicz-Morrey and weak Orlicz-Morrey spaces2023

    • 著者名/発表者名
      Kawasumi Ryota, Nakai Eiichi, Shi Minglei
    • 雑誌名

      Mathematische Nachrichten

      巻: 296 ページ: 1483~1503

    • DOI

      10.1002/mana.202000332

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 平均振動量が一様でないカンパナト空間とそれに関連する話題 (2022年度(第21回)日本数学会解析学賞受賞特別講演)2023

    • 著者名/発表者名
      中井英一
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会 (東北大学)
    • 招待講演
  • [学会発表] Bi-predual spaces of Campanato spaces and integral operators2023

    • 著者名/発表者名
      中井英一
    • 学会等名
      応用解析研究会 (早稲田大学)
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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