研究実績の概要 |
1.臨界べき非線形項を持った2次元シュレディンガー方程式の非斉次Dirichlet境界値問題を半空間で考察し、境界条件が摂動と考えられる条件のもと解の漸近的振る舞いを明らかにした。この結果はKyushu J. Math., (2), 74 (2020), August, 375-400,に掲載されている。 2. 1次元、非線形4次シュレディンガー方程式の研究を行い、非線形項の階数が5を超えているとき散乱作用素の存在を証明した。非線形項の階数が5の場合は散乱作用素の非存在がわかっているのでこの結果は散乱問題の立場から最良の結果と思われる。この結果はHokkaido Math. J. 50 (2021), 91-109に掲載されている。 3. 2次元、非線形2次ー4次シュレディンガー方程式の研究を行い、非線形項の階数が臨界べき、すなわち2次のとき解の漸近的振る舞いを明らかにした。この結果はTohoku Math. J. (2) 72 (2020), no. 1, 15-37に掲載されている。 4. 1次元、非線形a次シュレディンガー方程式の研究を行い、aが1<a<3/2、非線形項の階数が臨界べき、すなわち3次のとき解の漸近的振る舞いを明らかにした。この結果はAdv. Differential Equations 25 (2020), no. 1-2, 31-80. に掲載されている。 5. 1次元非線形シュレディンガー方程式の非斉次Dirichlet境界値問題を半直線において考察し、解の存在及び時間減衰評価を示した。従来の初期値、境界値にたいして大きさの条件を必要としていたが、この条件を取り除いた。この結果はNonlinear Differ. Equ. Appl. 27, 17 (2020).において公表されている。
|