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2022 年度 実施状況報告書

多重線形調和解析における有界性定理の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K03700
研究機関大阪大学

研究代表者

冨田 直人  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10437337)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード多重線形作用素 / フーリエ積分作用素 / 擬微分作用素 / フーリエ乗法作用素
研究実績の概要

調和解析(実解析)の分野では,2000年頃から線形の理論を多重線形の理論へと拡張する話題がメインテーマの1つとして活発に研究され,現在ではこの種の話題を多重線形調和解析と呼ぶことが多い.多重線形調和解析は,単なる線形理論の一般化などではなく,調和解析の問題として眺めても非常にチャレンジングであるし,また応用面から眺めても偏微分方程式論の発展の可能性を大いに秘めている.本研究では正則性の観点から多重線形フーリエ乗法作用素および多重線形擬微分作用素に代表される多重線形作用素に対する有界性定理の精密化を目標に,特に L^2 の特別な構造をとらえた研究を目指している.

これまでの研究では,主に双線形フーリエ乗法作用素や双線形擬微分作用素を扱ってきたが,2021年度からこれらを含む双線形フーリエ積分作用素の研究を開始した.双線形の枠組みでのフーリエ積分作用素の解析は非常に難しく,まだまだ研究すべき題材がある.2022年度は,加藤睦也氏(群馬大学),宮地晶彦氏(東京女子大学)と共に,フーリエ積分作用素の典型例である波動作用素を双線形の枠組みで研究した.そして,波動作用素の場合には,Rodriguez-Lopez, Rule, Staubach (2014) が与えた結果を改良できる可能性を見出した.2023年度も引き続き,この方向での研究を推し進める予定である.

また,多重線形調和解析の偏微分方程式への応用ついて,2022年度に引き続き2023年度も模索していきたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

波動作用素に焦点を当てて研究することにより,これまでに知られている有界性定理を改良できる可能性を見出した.

今後の研究の推進方策

波動作用素から一般のフーリエ積分作用素へと研究対象をひろげていきたい.

次年度使用額が生じた理由

2022年度は海外出張に行けず,次年度使用額が生じた.2023年度は,書籍などの研究をサポートしてくれる物品などに科研費を有効に使用させていただき,また出張にも積極的に行かせていただく.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Boundedness of bilinear pseudo-differential operators of S_{0,0}-type in Wiener amalgam spaces and in Lebesgue spaces2022

    • 著者名/発表者名
      T. Kato, A. Miyachi, N. Tomita
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Analysis and Applications

      巻: 515 ページ: 126382, 33 pp

    • DOI

      10.1016/j.jmaa.2022.126382

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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