研究課題/領域番号 |
20K03715
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
三嶋 美和子 岐阜大学, 工学部, 教授 (00283284)
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研究分担者 |
盧 暁南 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (10805683)
宮本 暢子 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 教授 (20318207)
神保 雅一 中部大学, 現代教育学部, 教授 (50103049)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 巡回準直交配列 / 完全2進系列 / DSS / 代数的改ざん検知符号 / ドロップアウトデザイン |
研究実績の概要 |
本年度は,最大独立集合問題や支配集合問題に帰着させることのできる組合せ構造をもつ各種通信符号を調べることに費やした. 直接的には,最大独立集合問題や支配集合問題としてのモデル化には至っていないものの,代数的改ざん符号(AMD符号)と, 接頭符号(またはコンマフリー符号)の組合せ構造として知られるDifference System of Sets (DSS)との関係を明らかにすることで,DSSの構成法をAMD符号の構成に適用した場合に,ランダムな攻撃を行う敵の改ざん成功確率の最大値を最小化するという意味において最適なAMD符号をなす条件を得ることができた. この他に,光直交符号などの多元接続通信符号と同じく,自己相関が最小となる2進系列(完全2進系列という)から,推定するパラメータの分散を最小にするという意味で最適な(D-最適な)2水準の巡回準直交配列が構成できることを示した.通信符号と実験計画をつなぐ結果を得たが,最大独立集合問題や支配集合問題としてのモデル化には至っていないため,次年度以降の課題としている. また,組合せデザインを深層学習におけるドロップアウト法やドロップコネクト法に適用することで,多層ニューラルネットワークのノードまたは辺の使用頻度をバランスさせ,各層間の重みの推定値の分散を小さくできることを示した.ここで導入したドロップアウトデザインと最大独立集合との関係の解明についても,次年度以降の課題である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の急拡大により,研究の開始が遅れたことに加え,年間を通じた授業のオンライン化に対応しなければならず,研究テーマの推進に十分な時間を割くことができなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
週1回,研究分担者とZoomによる研究打合せをしながら,R2年度の研究成果として得られたAMD符号,巡回準直交配列,ドロップアウトデザインに内在する最大独立集合問題または支配集合問題のモデル化を試みる. 最大独立集合や支配集合としてのモデル化に至らない場合であっても,前年度に得られたAMD符号,巡回準直交配列,ドロップアウトデザインに加え,これらの構成法で用いた手法を応用し,衝突回避符号や署名符号の新たな構成法の提案を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】 新型コロナウイルス感染症の急拡大により,研究開始が当初予定よりかなり遅れてしまったこと,および国内学会等がオンライン開催となったことなどから,旅費として計上していた予算を使用できなかったため. 【使用計画】 研究テーマ推進のために購入を予定していたソフトウェア等を順次購入し,最適解の探索を行う準備を進める.
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