研究課題/領域番号 |
20K03725
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
池田 宏一郎 法政大学, 経営学部, 教授 (60332029)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | モデル理論 / 安定性理論 / Lachlan予想 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,Lachlan予想の解決に一歩でも近づくことにある.そこで当該年度では,解決の重要な道具となる,ジェネリック構造の研究を行った. ジェネリック構造のよく知られた例の多くは,無限群を定義できない.そこで,一般のジェネリック構造が無限群をもつかどうかを調べ,ある弱い条件下では,ジェネリック構造が無限群をもたないことが分かった.この結果は,2020年8月に開催された,モデル理論夏の学校,および,2020年12月に開催された,RIMS共同研究「モデル理論における独立概念と次元の研究」において発表され,その研究成果は,2021年度にRIMS講究録に論文として発表予定である. 一方,可算範疇的でないHolographic構造として,体から作られた構造が知られているが,それ以外の例があるかという問題があった.この問題に対して,ジェネリック構成法を使えば,可算範疇的でないHolographic構造が作ることが分かった.この構造はジェネリック構造なので,先の結果により無限群をもたない.よって,すでに知られている体からできたHolographic構造とは違うものであることもわかる.この結果は,2020年9に開催された,日本数学会例会で発表された. しかしながら,当該年度の目標であった,可算範疇的でない無理数型ジェネリック構造の存在の研究は,コロナ禍の影響で十分な研究成果が得られなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で,海外研究集会への参加ができなかった.これにより,当初予定していた海外の研究者との研究打合せを行うことができなかった.国内研究集会に関しては,Zoomによる参加を行ったが,例年のような十分な研究打合せができたとは言い難い.これらの影響として,当該年度の目標としていた「可算範疇的でない無理数型ジェネリック構造の存在」に関する研究に遅れが生じた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,コロナ禍が落ち着いてきたら,できる限り国内外の研究集会に参加し,前年度の研究の遅れを取り戻したい.コロナ禍がまだ続いたとしても,オンラインの活用などをさらに工夫して,従来の研究打合せに代替できるような手段を考えたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で,予定していた国内外の研究集会への参加が不可能になった.
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