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2021 年度 実施状況報告書

構造化生態系モデルのパーマネンス

研究課題

研究課題/領域番号 20K03735
研究機関宮崎大学

研究代表者

今 隆助  宮崎大学, 工学部, 教授 (10345811)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードロバストパーシステンス / 捕食者・被食者系 / 交差拡散 / ハンタ熱 / 蚊媒介感染症 / 急速反応極限 / パターン形成
研究実績の概要

(ア)昨年度に引き続き,1回繁殖型レスリー行列モデルと多回繁殖型レスリー行列モデルを結合させた年齢構造化競争モデルの研究を進めた.既存のロバストパーシステンス(またはロバストパーマネンス)に関する一般的な結果の適用可能性を確認し,年齢構造化競争モデルに対するロバストパーシステンスの証明の足掛かりを得た.(イ)昨年度に引き続き,空間構造をもつRosenzweig-MacArthur モデルの研究結果を論文としてまとめ,学術誌への投稿を済ませた.(ウ)レスリー行列モデルなどの離散時間モデルは昆虫などの個体群動態を記述するのによく用いられる.蚊などの昆虫を媒介して広がる感染症の数理モデルにおいても有用である.そこで,インドネシアとインドの研究者とハンタ熱やデング熱等の蚊媒介感染症に関する共同研究を開始し,数理モデルを用いたハンタ熱に関する研究についてまとめた.また,基礎モデルの大域的漸近挙動を明らかにし,それらを論文にまとめ学術誌へ投稿した.(エ)捕食者の行動の変化が引き起こす交差拡散の数理モデルについて研究した.捕食者の行動の変化が被食者の個体数に依存する場合,線形拡散のみを仮定した数理モデルから形式的に交差拡散をもつ数理モデルが導出できることを明らかにした.また,個体数に対する依存の仕方が単調な場合は,(生物学的に妥当な仮定の下で)空間パターンが生じないことを明らかにした.一方で,単調性がなくなると,空間パターンが生じることも明らかにした.これらの成果を論文としてまとめて学術誌へ投稿した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していなかった感染症の数理モデルに関する成果,および交差拡散をつくりだす反応拡散方程式に関する成果を得た.計画していた年齢構造化競争モデルの大域挙動の解明については,小さな進展しか得られなかった.以上により,やや遅れている判断される.

今後の研究の推進方策

本年度のロバストパーマネンスに関する研究結果を踏まえ,年齢構造化競争モデルのロバストパーマネンスについて研究を進める.さらに,当初予定していた1回繁殖型レスリー行列モデルとロトカ・ヴォルテラ方程式のパーマネンスとの関係についての研究を進める.

次年度使用額が生じた理由

感染症流行のため国際会議に参加できなかったり,論文の掲載料がまだ発生しなかったりしたため,次年度使用額が生じた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Indian Institute of Science/Indian Institute of Technology Indore(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Indian Institute of Science/Indian Institute of Technology Indore
  • [国際共同研究] Universitas Padjadjaran(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      Universitas Padjadjaran
  • [学会発表] 非正則ネットワーク上の分散によるRosenzweig-MacArthurモデルの安定化と不安定化2021

    • 著者名/発表者名
      今隆助
    • 学会等名
      第31回日本数理生物学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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