研究実績の概要 |
1. 半正多面体,ザルガラー多面体などの整凸多面体に対して,球面デザインを一般化した概念である「調和指数デザイン」と「ユークリッド空間上の観点」からその頂点配置が持つ「強さ」の決定を行なった.また,球面データに対する重回帰分析の観点からこれら多面体の頂点集合の統計的最適性・効率性について調査し,その結果を日本応用数理学会研究部会連合発表会において口頭発表した.また,現在,これらを論文としてまとめるため準備作業をしている段階である. 2. 球面デザインを一般化した概念である「調和指数デザイン」の観点からD4格子のシェルの研究を行なった.D4格子の2m-シェルが,極対的な{10,4,2}-デザインであることを示した.また,線形計画限界の議論を用い,D4ルートシステムである2-シェルが,極対的なtight {10,4,2}-デザインであることを示した.さらには,極対的な{10,4,2}-デザインの一意性を示し,このことからD4ルート系の直交変換によるD4格子のシェルの分解,および, モジュラー形式への応用を提示することに成功した. 3. 前年度に引き続き,Beltran-Etayo (2018, 2019) によって提案された点過程 (偶数次元球面における「一般化」球面アンサンブルと奇数次元球面における射影アンサンブルから誘導される点過程) から得られるランダム点配置に関する調査を行なった.これらの結果は論文としてまとめ,JSIAM Lettersに採録されている.
|