研究実績の概要 |
当初の研究計画では、Sugama-Hortonモデルに対してq=q(t)が周期関数である場合を考える予定であったが、Sugama-Hortonモデルの導出元になった簡約化MHD方程式と比較的近い構造をした非線形偏微分方程式に対する研究を行った。
Sugama-Hortonモデルの導出元になった簡約化MHD方程式と比較的近い構造をした非線形偏微分方程式を用いて、テアリング不安定性と磁力線のつなぎかえの関係についてシミュレーションによる研究を行った論文がいくつかある。特に、一般化オームの法則を用いた密度依存の簡約化MHD方程式を用いたシミュレーションによる研究によると、テアリング不安定性によって生じた磁気島のサイズや個数がパラメーターに依存して変化することが明らかにされている(M.Ottaviani, et al., Phys.Rev.Lett. 93 (2004) 075001. M.Muraglia, et al., Phys.Rev.Lett. 203 (2009) 145001. M.Muraglia, et al., Phys.Rev.Lett. 107 (2011) 095003.)。磁力線のつなぎかえが生じるとプラズマが乱流状態になるため、本研究の研究目的に沿った研究課題である。上で紹介したM.OttavianiやM.Muragliaらによる論文で研究されている簡約化MHD方程式に対して、周期境界条件の下で強解がある時間まで一意に存在することを証明した。通常の圧縮性MHD方程式はオームの法則が用いられているため、磁場の方程式に密度勾配の項が現れないが、本研究の研究対象である簡約化MHD方程式では一般化オームの法則が用いられているため、磁気ポテンシャルの式に密度勾配の項が現れるという違いがある。得られた研究成果は論文にまとめて投稿中である。
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