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2020 年度 実施状況報告書

数理モデル化を用いた複数車線の高速道路の交通渋滞を除去する運転方法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K03749
研究機関鳥取大学

研究代表者

西 遼佑  鳥取大学, 工学研究科, 講師 (10727093)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード渋滞吸収運転 / 複数車線 / 二次渋滞抑制 / 交通流の安定性 / ムービング・ボトルネック
研究実績の概要

研究実施計画(iii)「渋滞吸収運転による二次的な渋滞の抑制に関する理論的評価」に取り組んだ.先行研究として,YanとOguchi は「渋滞上流のn台の車が並走しつつ低速走行することで,全N車線道路上を伝播する渋滞を除去する」という運転方法を構築したが(Yan & Oguchi, 2019),n台の車の上流に二次的な渋滞が発生する可能性は評価されていなかった.そこで,車の隊列を伝播する微小じょう乱に対する交通流の安定性(string stability)条件(Wilson, 2008; Treiber & Kesting, 2013)をYanとOguchiの方法に適用した.もしn台の車の上流がstring stable (unstable)ならば,微小じょう乱は減衰するか一定となる(成長する)ので,二次的な渋滞は発生しない(する)と判定した.系は上流が果てしなく続く半無限系を想定し,n台の車以外の交通流はintelligent driver model(Treiber et al., 2000; Treiber & Kesting, 2013)に従うと想定した.得られた結果として,様々なNとnのペアに対して,上流をstring stableに維持したまま渋滞を除去することが可能な実行パラメーター領域が存在することを見出した.本成果は,複数車線道路上において二次的な渋滞の抑制が可能であることを保証したという意義を持ち,複数車線道路上における渋滞を除去する運転方法の実用化を促進すると期待される.
また,渋滞吸収運転の周辺研究として,通行可能車線数が一地点だけ減少するような複数車線道路上において,一台の低速走行車(ムービング・ボトルネック)が衝突リスクを低減することを数値シミュレーションによって見出し,複数車線道路上における一台の車による交通流改善の発展に貢献した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全3年間で3つの研究実施計画を立てたが,初年度でそのうちの一つである(iii)「渋滞吸収運転による二次的な渋滞の抑制に関する理論的評価」を成し遂げることができた.また,複数車線道路上における渋滞吸収運転の周辺研究であるムービング・ボトルネックについても,衝突リスク低減に関する成果を得ることができた.

今後の研究の推進方策

今後は,残りの2つの研究実施計画(i)「様々な複数車線系における渋滞吸収運転アルゴリズムの構築」,(ii)「数理モデルのパラメーターが渋滞吸収運転の評価指標に及ぼす影響の評価」に取り組みたい.ただし,(iii)「渋滞吸収運転による二次的な渋滞の抑制に関する理論的評価」に関する発展課題を見出した場合は,そちらを優先して実施する可能性もある.また,複数車線道路上における渋滞吸収運転の周辺研究に重要課題を見出した場合は,その課題を実施する可能性もある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 複数車線道路の渋滞吸収運転における,ストリング安定性を援用した二次渋滞判別法2021

    • 著者名/発表者名
      西田 悠作,西 遼佑
    • 学会等名
      日本機械学会 中国四国学生会 第51回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 二車線道路の自動車交通におけるムービング・ボトルネックによる衝突リスクの軽減2021

    • 著者名/発表者名
      坂倉 義笙,西 遼佑
    • 学会等名
      日本機械学会 中国四国学生会 第51回学生員卒業研究発表講演会

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公開日: 2021-12-27  

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