本研究では、方向の観測を含むデータのための回帰モデルおよび関連する確率分布について、大きく3つのテーマで研究した。具体的には、「被説明変数が方向、説明変数が実数値となる回帰モデル」、「多次元トーラス上の確率分布(複数の2次元方向のための確率分布)および関連する回帰モデル」、「各座標軸に対して尺度を調整可能な回帰曲線を持つ方向データのための回帰モデル」を研究した。これらの統計モデルを提案し、パラメータの解釈や推定が可能であること等の多くの統計的性質を明らかにした。また、回帰モデルについて回帰曲線に適度な柔軟性があることや、確率分布について周辺分布と条件付き分布が既存の分布になることなどを示した。
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