今後の研究の推進方策 |
本研究課題2年目以降は、初年度に引き続き、ハートレーフォック計算とself-consistent GW計算のMPI並列化の向上および使用メモリ量の削減を行う。また効率的な電子状態の収束方法を見つけることにより計算コストの削減をはかることを計画している。これらの作業と並行して、高次の項(WGGW項)を含めた電子ーホール相互作用核を含めたGW+Bethe-Salpeter計算を行う予定である。この際に、まずは通常の計算手法同様に、LDAを計算の出発点としてone-shot GWの範囲で計算を行う予定である。 高次の項の寄与を見積もるために、我々が近年開発を行った励起子の波動関数を用いた励起子解析を行う予定である(D. Hirose, Y. Noguchi, and O. Sugino, J. Chem. Phys., 46, 044303 (2017))。この解析方法を用いて高次の項の期待値を2粒子の描像に基づいた形で見積もることにより、より正確に高次の項の寄与を調査することができると考えている。計算対象としてはNaクラスターや少数原子系からなるいくつかの分子を計画している。これらの系は既存のGW+Bethe-Salpeater法ではあまりよい結果を得ることのできないことが知られている(D. Hirose, Y. Noguchi, and O. Sugino, Phys. Rev. B, 91, 205111 (2015))。高次の項がこれらのエラーをどれほど改善することができるのかを見極めたいと考えている。 さらに次の段階として、self-consistent GWを出発点とした計算も行う予定である。
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