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2023 年度 実績報告書

微視的な系での断熱サイクルを通じた量子古典対応

研究課題

研究課題/領域番号 20K03791
研究機関東京都立大学

研究代表者

田中 篤司  東京都立大学, 理学研究科, 助教 (20323264)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード断熱サイクル / アンホロノミー / 新奇な量子ホロノミー / 量子古典対応 / トポロジカルポンプ / 連成振動 / サイクロトロン運動
研究実績の概要

本課題では, これまで量子系で調べられてきた新奇な量子ホロノミーに対応する古典系での類似物を探索してきた. 新奇な量子ホロノミーとは, 定常状態に準備された量子系が断熱サイクルによって始状態でのものとは異なる定常状態に移行することだ. 近年, 新奇な量子ホロノミーの具体例が複数見いだされてきた.
新奇な量子ホロノミーは断熱状態の量子数, すなわち, トポロジカル数を断熱的に変化させる点で奇妙である. 従来, このことと断熱サイクルの大域的な性質との対応が論じられてきた:例えば(擬)固有エネルギーや基準振動数の交差・移動・巻き付き, あるいは, 固有射影作用素の集合が描く軌跡のホモトピー分類といったものだ. 一方, 新奇な量子ホロノミーの具体例の多くは特異なポテンシャルを要求するために量子古典対応の存否は非自明と考えられていた.
これを受け, 本課題では古典的な連成振動と磁場中の荷電粒子に対する特異な断熱サイクルに着目した. 前者の断熱サイクルではピン止め操作を断熱的に強め完全な粒子静止を含めるような状況, 後者では断熱的なパルス磁場の強度を変調する状況が断熱サイクルに含まれることで, 古典的な作用変数のアンホロノミーが誘発されることを示した. また, トポロジカルポンプへの応用を提案した.
特に最終年度では二つの問題を主に考察した. (a)系の切断・接合を伴う断熱サイクルを再考し, 波動関数や基準モードの節の数が切断・接合の直前直後にて変化することを見いだした. これはアンホロノミーを断熱パラメーター空間中の一部分に局在させ得ることを意味する. 既存の大域的な考察と繋げることは未解決問題として残った;(b)磁場中の荷電粒子での例の考察から荷電粒子を速度反転させる断熱サイクルを見いだした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Holonomy in action for classical integrable systems (断熱サイクルは完全可積分古典系の断熱不変量(作用変数)を置換する)2023

    • 著者名/発表者名
      Atushi Tanaka
    • 学会等名
      Dynamics Days 2023 Kagurazaka
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/tanaka-atushi

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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