研究課題/領域番号 |
20K03800
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川上 洋平 東北大学, 理学研究科, 准教授 (60731172)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 高次高調波発生 / 強相関電子系 / 超伝導体 / 非線形分光 / フーリエ分光 / 時間分解分光 / 単一サイクル赤外光 / キャリアエンベロープ位相 |
研究成果の概要 |
光キャリア-エンベロープ位相(CEP)を精密に制御した高強度の単一サイクル近赤外光(パルス幅6フェムト秒)を用いて強相関電子系の高次高調波発生を調べた。要素技術として、超広帯域スペクトルの精密測定手法を開発した。有機超伝導体κ型ET塩において、光強電場が駆動するペタヘルツ非線形電流を反映した第二高調波発生を観測した。銅酸化物高温超伝導体YBCOにおいて、CuO2面とCuO鎖におけるフェムト~アト秒のキャリアダイナミクスが第五高調波に反映される可能性を見いだした。電子強誘電体α型ET塩において、光誘起絶縁体-金属転移に伴って第二高調波が500フェムト秒以内にほぼ完全に消失することを確認した。
|
自由記述の分野 |
光物性物理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高次高調波発生は固体の超高速キャリアダイナミクスを調べる新しい手法として注目を集めている。半導体や絶縁体を中心に展開されているこの手法を強相関電子系に適用し、非従来型超伝導や電子強誘電など、強相関系特有の電子物性の微視的起源の解明と超高速光操作の検証を目指した。得られた成果は次世代の強相関光エレクトロニクスの開拓に貢献できる。また、本研究のために開発した精密分光技術は高調波測定以外にも適用可能であり、赤外分光やラマン分光などの広範な分光測定の発展に寄与できる。
|