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2021 年度 実施状況報告書

偏極中性子小角散乱によるSr2RuO4のスピン帯磁率の精密測定と超伝導対称性決定

研究課題

研究課題/領域番号 20K03832
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

古川 はづき  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70281649)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード超伝導 / 超伝導対称性 / 中性子散乱実験 / 単結晶試料 / スピン帯磁率
研究実績の概要

ペロブスカイト型酸化物超伝導体Sr2RuO4については、17O-NMRナイトシフトがTc以下低温まで不変であるとした京大グループのNMRの実験結果を確固たる証拠として長年に渡り「p波超伝導」が強く主張されてきた。しかし、近年になり、海外の研究グループが17O-NMRナイトシフトがTc以下で減少することを報告、京大グループの実験ミスを指摘したことから、スピン対称性の議論が再炎している。
超伝導対称性の確定には、phase sensitiveな実験と3磁場方向(//[100], [110], [001])に対するスピン帯磁率の温度依存性の精密な測定が必須である。本研究では、偏極中性子小角散乱法により、前方散乱成分から磁場により誘起された磁気モーメントによる磁気散乱だけを選択的に抽出する方法で、3磁場方向のスピン帯磁率の精密測定を行い、Sr2RuO4の超伝導対称性の確定することを計画した。令和3年度も、コロナの世界的な流行により、本研究の実施を予定している引き続きフランスラウエランジュバン研究所に出向くことができなかったが、試料を現地に送り、現地の人に実験のセットアップ全般をしてもらい、海外から装置の操作のみを行う形での研究推進ができた。現在も引き続き解析中であるが、今回の実験では、中性子小角散乱強度から磁気成分をうまく抽出することができなかったと思われる。現在、その原因を追求しているが、今後、その問題を解決して、再度測定に挑戦する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和2年度に計画していたフランスラウエランジュバン研究所での中性子散乱実験が、コロナ流行により延期、また、令和3年度のそれもリモート実験となり、次の実験の目処もたたないため。

今後の研究の推進方策

フランスラウエランジュバン研究所に確保したビームタイムを使い切ったため、次の実験のために、課題申請をする必要があるが、フランスラウエランジュバン研究所は、パートナー国以外の国の研究者からの課題申請の採択率を下げたため、そこ以外で偏極中性子小角散乱実験が可能な研究施設での実験実施の可能性を調べる必要がある。
例として、ドイツFRM(偏極),スイスPSI(非偏極)での実験を考える。

次年度使用額が生じた理由

研究出張等が延期になったため差額が生じた。令和4年度に使用を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (3件)

  • [国際共同研究] バーミンガム大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      バーミンガム大学
  • [国際共同研究] ルンド大学(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      ルンド大学
  • [国際共同研究] ラウエランジュバン研究所(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      ラウエランジュバン研究所

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公開日: 2022-12-28  

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