反強磁性結合により上下の強磁性層の磁化が反対を向く「強磁性層/非磁性層/強磁性層」の3層構造の細線で、微小な渦磁区構造の磁気スキルミオンバブル磁区(BD)の安定化を試みた。本研究では、BDの安定化に一般的に利用される界面ジャロシンスキー-守谷(DM)相互作用がなくても、反強磁性結合を用いることでBDが安定化でき、細線を流れる電流方向に対してBDを平行に移動できることをマイクロマグネティックシミュレーションを用いて実証した。また、反強磁性結合が大きな細線では界面DM相互作用が大きな細線と同様にネール磁壁が安定して存在し、スピン軌道トルクを与えると磁壁が高速で駆動することを明らかにした。
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