研究課題/領域番号 |
20K03863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 仁 広島大学, 放射光科学研究センター, 准教授 (90243550)
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研究分担者 |
大原 繁男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60262953)
奥田 太一 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (80313120)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | カイラル磁性体 / 強相関電子系 / スピン分解光電子分光 |
研究成果の概要 |
カイラル金属磁性体YbNi3Al9およびYb(Ni0.94Cu0.06)3Al9について,角度分解光電子分光(ARPES)を行なった.少なくとも表面ブリルアンゾーンのGamma点周りに5枚のホール的フェルミ面と,M点周りに1枚の電子的フェルミ面が存在することを明らかにした.両者のフェルミ面形状は類似しているが,YbNi3Al9と比較して,Yb(Ni0.94Cu0.06)3Al9の方が小さくなっていることが分かった.NiのCu置換により電子がドープされたことを反映している.YbNi3Al9についてスピン分解ARPESを行い,Gamma点周りのホールバンドに約30 meVのスピン分裂を見出した.
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自由記述の分野 |
放射光物性
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
YbNi3Al9は,最近発見された4f電子系で初のカイラル金属磁性体である.カイラル磁気構造は,伝導電子を媒介とする,4fスピンを「揃える」対称スピン相互作用(RKKY相互作用)に,スピンを「ねじる」反対称スピン相互作用(DM相互作用)が加わることで生じる.カイラル結晶構造に起因して,独特なスピンテクスチャをもつ伝導電子バンド構造が,カイラル磁性の出現に関与していると考えられる.本研究で明らかにした基本的な電子構造,特に,微細なスピン分裂構造に関する結果は,今後の4f電子系カイラル磁性体の研究において,貴重な情報を与えるものと期待される.
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