| 研究課題/領域番号 |
20K03866
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| 研究機関 | 兵庫県立大学 |
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研究代表者 |
坂井 徹 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (60235116)
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| 研究分担者 |
利根川 孝 神戸大学, 理学研究科, 名誉教授 (80028167)
中野 博生 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (00343418)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 量子スピン液体 / フラストレーション / スピン励起 / 電子スピン共鳴 / 選択則 / スピンギャップ |
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| 研究実績の概要 |
新奇量子スピン液体を実現する可能性のあるカゴメ格子反強磁性体と中心とするフラストレーション系に対し、そのスピンギャップの有無も含めたスピン励起の詳細を理論的に解明し、これを電子スピン共鳴等の磁気共鳴実験による観測を提唱することを目標に、数値対角化等の数値解析により研究を進めてきた。格子の対称性からジャロシンスキー・守谷相互作用が存在するため、この相互作用も導入したモデルを解析し、従来なら電子スピン共鳴では禁制遷移となるはずのスピンギャップ励起が観測できる条件について、その選択則の形で定性的に求めた。
一方、著名なフラストレーション系であるShastry-Sutherlandモデルにおいて、以前に理論的に予言されて注目されてきた新しいプラケット・シングレット相への量子相転移が、最近の候補物質の圧力誘起相転移として電子スピン共鳴により観測された可能性が示唆されたことから、この量子相転移における電子スピン共鳴の選択則の変化を理論的に予測する研究にも着手している。こちらについては、独自に進めているさらに新奇なスピンギャップ相への量子相転移の可能性も含めて、大規模数値対角化による定量的な解析を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標であるカゴメ格子反強磁性体のスピンギャップの有無を電子スピン共鳴で観測する可能性について、その選択則を定性的に求めたことに加え、最近注目されているフラストレーション系であるShastry-Sutherland系の量子相転移における選択則の解析にも着手できている。
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| 今後の研究の推進方策 |
ジャロシンスキー・守谷相互作用の存在を想定したカゴメ格子反強磁性体及びShastry-Sutherland系におけるスピン励起を電子スピン共鳴により捉えられる条件を、選択則の形で定量的に定式化し、具体的な検証実験を提唱することを目標とする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
現地で対面の講演を予定していた日本物理学会・アメリカ物理学会がオンライン開催となったため、旅費を使用せずに済んだ。次年度に現地開催となる学会に、
旅費を投じて、積極的に参加する予定である。
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