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2020 年度 実施状況報告書

自己駆動液滴を構成要素として用いた液滴ロボットの設計と機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 20K03881
研究機関広島大学

研究代表者

田中 晋平  広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (40379897)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード一粒子状態 / 往復運動
研究実績の概要

本年度は前半に一粒子の往復運動の駆動メカニズムに関するモデルを考案し、その実証を実験とシミュレーションによって行った。実験は疑似一次元水路を用いて行い、液滴の一方向運動および往復運動を観察した。得られた画像データから液滴の位置情報を抽出し、液滴の速度、往復の周期および振幅などを測定した。一方シミュレーションでは、濃度場の変化を反応拡散方程式によって計算し、液滴位置は運動方程式を積分することによって計算した。シミュレーションに必要なパラメータは、主に実験結果から得られる物理量を用いた。以上により、我々のモデルに基づくシミュレーションが、半定量的に実験結果を再現することを明らかにすることができた。また、実験では実現できていないパラメータ領域についてもシミュレーションを行い、そのような場合における液滴の振る舞いを予測することもできた。以上の結果はSoft Matterに投稿、受理された。一方、液滴集団の振る舞いについても同様のモデルを用いた研究を行った。本年度は液滴集団に対しても疑似一次元水路を用いている。この研究により、個々の液滴の往復運動だけでなく、液滴集団のクラスター形成に対しても半定量的なシミュレーション結果を得ることができている。こちらの結果はPhysica Dに投稿、受理されている。後半から多粒子系の実験を開始しており、現在は多粒子の構造化を指標化できる秩序変数を考察しているところである。得られた秩序変数を用いて、本研究の目的である液滴ロボットの進化的設計を開始する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

秩序変数の決定に手間取っているが、いくつかのアイディアはあり、現在試験中である。秩序変数は液滴ロボットの進化的設計に欠かせない量なので、慎重に考察していく。

今後の研究の推進方策

秩序変数の決定ができたあと、秩序を増加させるように液滴集団を進化させていく実験に取り掛かる。実験結果を秩序変数の特定に対してフィードバックさせることも予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A reaction-diffusion particle model for clustering of self-propelled oil droplets on a surfactant solution2021

    • 著者名/発表者名
      Minsoo Kim, Masaharu Nagayama, Satoshi Nakata, Shinpei Tanaka, Yasuaki Kobayashi, Mamoru Okamoto, and Yusuke Yasugahira
    • 雑誌名

      Physica D: Nonlinear Phenomena

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] A surfactants reaction model for reciprocating motion of a self-propelled droplet2021

    • 著者名/発表者名
      Shinpei Tanaka, Satoshi Nakata, and Masaharu Nagayama
    • 雑誌名

      Soft Matter

      巻: 17 ページ: 388-396

    • DOI

      10.1039/d0sm01500h

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 水溶液表面を自己駆動する液滴の往復運動に対する 界面活性剤反応拡散モデル,2021

    • 著者名/発表者名
      田中晋平
    • 学会等名
      物理学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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