研究課題/領域番号 |
20K03883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 横浜市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森次 圭 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80599506)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | タンパク質 / ダイナミクス / 分子動力学シミュレーション / マルコフ状態モデル / 重み付きアンサンブル法 / シニョリン / Pin1 / SARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ |
研究成果の概要 |
生体分子ダイナミクスの記述としてマルコフ状態モデルがよく適用されるが、そのような複雑な系でマルコフ性の仮定が担保されるのかは疑問である。本研究では、ダイナミクスに内在する非マルコフ性を定量化しその構造起因を解明することを目的とした。そのため、モデル系としてシニョリンを取り上げ、履歴付きマルコフモデルやランジュバンモデルといった運動モデルを構築し、包括的な考察を行った。更に、非マルコフ的な構造変化パスの生成する重み付きアンサンブル法の生体分子への適用を進め、プロリン異性化酵素Pin1による基質ペプチドの異性化やプロテアーゼへの基質の結合・解離シミュレーションといった応用研究を行った。
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自由記述の分野 |
計算生物物理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質やDNAといった生体分子の運動は極めて複雑であるが、そのなかで例えば構造変化しシグナルを下流に伝えるといった分子機能を細胞内で発現する。つまり、立体構造情報に基づいて物理・化学的に合理的な原子レベルのモデルによって得られる機能発現過程の全体像から、認識の特異性決定因子の同定、アミノ酸変異の影響の理解などといった、それぞれの系の課題である薬剤設計、疾病の理解につながる情報を提供することができる。本研究では、そのようなダイナミクスの理解に直結する運動モデルの構築、更に、それを計算機上で再現する新規シミュレーション手法の開発に取り組んだ。
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