研究課題/領域番号 |
20K03906
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
廣岡 慶彦 中部大学, 工学部, 教授 (60311213)
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研究分担者 |
大宅 諒 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (10804750)
胡 長洪 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20274532)
武藤 敬 中部大学, 工学部, 教授 (90115949)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プラズマー壁相互作用 / プラズマ対向機器 / 液体金属 / 水素リサイクリング / 熱輸送 / 電磁力強制流動 |
研究実績の概要 |
本申請研究代表者は、磁気閉じ込め核融合炉のプラズマ対向機器(PFC)の表面部分に液体金属(LM)を用いる新概念として液体金属プラズマ対向機器(LM-PFC)を提案し、国内外関連研究者と連携しながら、過去約20年に渡って、LM-PFCの原理検証実験を行って来た。これまでに得られた結果から①液体金属を流動させることでプラズマから打ち込まれた水素同位体の深さ方向の輸送速度が拡散のみの場合に比べて著しく増大する事;②同様に液体金属を流動させると表面から垂直に入射する熱輸送が拡散だけの場合に比べて格段に増大させることが分かっている。 本申請研究では、上記①②の結果が同時に実現できるかを実験的に検証することを目的としている。そのため現存の実験室系直線プラズマ装置:VEHICLE-1 (注)を用いて定常プラズマを発生させ流動液体金属の照射を行い、科研課題(基盤B:18360446)の研究実施のために購入した局所加熱型赤外線炉をVEHICLE-1にマウントし液体金属表面の垂直方向から加熱しながら液体金属をJxB電磁力を用いて流動させ水素リサイクリングと液体金属深さ方向の温度分布を同時に測定することを最終的な目標とする。 2020年度は、上記の実験セットアップの概念設計を行い、本研究の目的を達成できるかを検討した。前記VEHICLE-1は、研究代表者勤務の中部大学実験室で稼働中であるが、赤外線炉は、核融合研主催の双方向共同研究実施のため九大応力研に別の実験のため用いられているので、本研究の為に移設する必要がある。但し、昨今のコロナ禍のため現時点では、移設計画の詳細が決定していない。2021年度後半には、移設を完了して前記の複合実験を行う予定である。 (注)VEHICLE-1:Y. Hirooka et al. J. Nucl. Mater. vol.337-339(2005)585-589.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前記の様に、本申請課題研究では、九大応力研で稼働中の赤外線加熱炉を中部大で稼働中のプラズマ実験装置VEHICLE-1にマウントする必要があるが、現行コロナ禍のため出張が思うに任せず、具体的な移設計画が実施できていない状態である。 2021年度には、ワクチン接種が進むことが期待されるので、実験装置の移設が可能になることが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
2021年5月末には、本申請研究者が1回目のワクチン接種を受ける予定である。2回目も1か月以内に接種されることが予想されるので、7月以降に上記の赤外線加熱炉の移設が本格的に進むことが期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、コロナ禍のため研究代表者の出張が思うに任せず、前記の赤外線加熱炉を九大から中部大に移設しVEHICLE-1装置にマウントするための装置の改造等に予定していた備品その他の購入が遅れたため。 2021年度は、ワクチン接種が順調に進めば、7月後半から出張が可能になり、本申請課題研究の実行が可能になる見通しである。
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