| 研究課題/領域番号 |
20K03911
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| 研究機関 | 核融合科学研究所 |
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研究代表者 |
高橋 裕己 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00462193)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 電極バイアス / ポロイダル粘性 / 径電場 / 閉じ込め改善 / 核融合プラズマ |
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| 研究実績の概要 |
本研究ではスペインの国立エネルギー環境技術研究センター (CIEMAT研究所) の中型ヘリカル装置TJ-IIにおいて、電極バイアスによるプラズマフロー駆動力制御とそれによるプラズマ閉じ込め遷移の実験を実施する。2020年度は核融合科学研究所が所有する電源をCIEMAT研究所に輸送し、申請者の指示のもと、現地の技術スタッフがTJ-II装置にインストールした。その後、インストールされた電源を用いて予備的なプラズマ実験を行い、得られた結果をもとに、より大きなプラズマフローを駆動するための電源を新規に導入する予定であった。しかしながら、COVID-19の世界的な広がりにより、渡航が困難な状況であったことから、申請者はCIEMAT研究所への訪問を断念した。また、CIEMAT研究所においても、スタッフの出勤制限によって、TJ-II装置の実験キャンペーンの開始時期に遅れが生じたため、申請者のマシンタイムは2021年度に延期された。これにより、2020年度内の実験実施は不可能となったため、CIEMAT研究所、並びに、京都大学の研究協力者らとメール、ビデオ会議を通して実験内容の詳細や、実験遂行に必要となる作業の策定、今後の実験スケジュール等について議論を行った。その結果、延期された実験は2021年の6月に実施することとなった。ただし、現地に赴くことは今なお困難な状況であり、申請者はビデオ会議システムを通して遠隔で実験に参加する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スペインCIEMAT研究所のTJ-II装置における実験を予定していたが、COVID-19の影響により、実験スケジュールが2021年度に延期されたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度は、スペインCIEMAT研究所のTJ-II装置における実験を予定していたが、COVID-19の影響により、実験スケジュールが延期され、2021年の6月に実施する予定となった。TJ-IIにおける新古典粘性は典型的なプラズマにおいては、従来のモデルを用いて一定の評価はなされてきているが、2021年6月の実験で得られる電極バイアス時のプラズマの温度、密度、電場分布を元に、有限軌道幅効果を取り入れた粘性計算を行い、フローと粘性の関係を高精度で評価するとともに、粘性の極大値の値から遷移に必要な駆動力を求める。また、電極電流と電極電圧の比は、プラズマの磁気面を横切る方向の電気抵抗であり、ポロイダルトルク (ローレンツ力: jr x Bt)とポロイダルマッハ数 (Er x Bt / vth)の比に相当する。したがって、予備的な電極バイアス実験でプラズマ抵抗を実験的に評価することによって、電極バイアスによって遷移を実現するために、電源に要求される詳細スペックが明らかになる。この結果を受けて、プラズマ閉じ込め遷移を達成するための、十分な電圧・電流出力尤度をもった新規の電源を導入する。
2021年度以降の新規電源を用いた電極バイアス実験で、TJ-II装置におけるフローと粘性の関係、並びに、遷移閾値を実験的に評価し、新古典理論との整合性を調べるとともに、これまで、TU-Heliac, CHS, LHD, Heliotron Jで得られている電極バイアス実験の結果と比較し、閉じ込めの遷移とフロー形成が新古典ポロイダル粘性の非線形性から説明されるかどうかを検証する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響によって、当初予定していた京都大学への出張とスペインCIEMAT研究所への出張がキャンセルとなった。物品費については、2020年度に予定されていたTJ-II装置の実験が延期されたため、研究で使用する電源の詳細スペックを確定できず、調達に至らなかった。延期された実験は2021年度の6月に実施する予定であり、その結果を受けて適正なスペックの電源を2021年度の前半に調達する。今後、打ち合わせや実験等で予定している出張は、状況が許せば実施するが、不可能な場合は、ビデオ会議システム等による遠隔コミュニケーションにより代替する。
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