らせん状のコイルで閉じ込め磁場を作るヘリカル方式は、日本で大きく発展したプラズマ閉じ込め方式である。核融合炉で想定される長時間運転が可能な点に優位性があるが、特に閉じ込め容器に近い部分の磁場構造が複雑になり、適用可能なシミュレーションモデルは現象論的な一部のものに限られている。本研究で開発した手法は、プラズマの振る舞いを精密に記述できるジャイロ運動論モデルを元に、複雑な構造を持つ磁場中の閉じ込めプラズマにも応用できるため、ヘリカル型核融合炉周辺領域をはじめ、これまで理論的なアプローチが限られていた領域の閉じ込めプラズマに対する物理的な理解に大きく貢献するものと期待される。
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