研究実績の概要 |
(1)ストレンジクォークを含むメソン効果を取り入れた高密度核物質の解析:2020年度に確立したパリティ2重項模型とNJL型クォーク模型の内挿模型(PDM-NJLクロスオーバー模型)において、パリティ2重項にストレンジクォークを含むメソン効果を含めた解析を実施した。そして、その効果が状態方程式を柔らかくすることを明らかにした。[Phys. Rev. C 106, no.6, 065205 (2022)] (2) PDM-NJLクロスオーバー模型のまとめ:2020年度から実施してきた内挿模型に基づく解析をレビュー論文としてまとめた。[Symmetry 2023, 15(3), 745.] (3) a0中間子効果の解析: 前年度の解析を継続し、a0中間子効果により状態方程式が硬くなることを明らかにした。結果をまとめた論文を執筆中である。 (4) スカラー中間子の質量の解析:NJL型クォーク模型に補正を加えることにより、a0中間子とK0中間子の質量を解析した。補正項が大きい場合には実験結果を再現できることを明らかにした。[PTEP, 2023, 033D01] (5)ヘビーバリオンのカイラル有効模型による解析:ヘビークォークを含むハドロンのうち、正パリティの基底状態と励起状態の両方を含むカイラル有効模型を構成し、その崩壊幅を解析した。そして、励起状態を5クォーク状態とすると、その崩壊幅が非常に小さくなることを明らかにした。結果をまとめた論文を執筆中である。;(6)テトラクォークのハドロン分子模型による解析: 前年度に引き続いて、テトラクォークを中間子2個の束縛状態とする模型の解析を実施した。; (7)テトラクォークのカイラル有効模型による解析:テトラクォークを記述するカイラル有効模型の構築とそれを用いた解析を開始した。
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