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2023 年度 実施状況報告書

ニュートリノ質量力学の三位一体性から迫るマヨラナ位相と世代の物理

研究課題

研究課題/領域番号 20K03949
研究機関京都大学

研究代表者

吉岡 興一  京都大学, 理学研究科, 准教授 (80363323)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード素粒子論
研究実績の概要

本研究の目的はニュートリノの性質を通じて世代の謎をはじめとした標準理論の謎に迫ることである。そのためニュートリノに関わるようなスカラー場の力学を中心に、これまでに捉えられていなかった側面から多角的に追究する。課題となるスカラー場は、宇宙論的帰結からマヨラナ位相や世代構造などを通じてさまざまな現象を生み出す。そのため多様なエネルギースケールや検出方法を用いて集約した検証が行えることは大きな利点である。以下今年度の各研究内容を述べる。まず前年度に引き続き、非常に軽い実スカラー場の物質中における生成を考察した。物資中においては通常の真空中での生成に加えて縦波光子との混合、すなわちプラズマ振動効果による生成過程も共鳴等の特徴のため重要となる。従来は電子の寄与のみおよび非相対論的・非縮退状態の近似のもとで解析されることが主であったが、それらの制限がない場合にはプラズマ振動効果との相殺が失われることを明らかにした。これにより従来考えられてきたような恒星のさまざまな冷却過程からの制限や暗黒物質の検出実験等へ大きな影響があると期待される。また右手型ニュートリノに質量を与えるスカラー場とインフレーションの関わりについても考察をおこなった。擬南部ゴールドストーン粒子だけではなく実成分方向も同様にインフレーションの起源となる多重場インフレーションが自然となる枠組みであり、これまでには無いパラメータ空間の網羅的な解析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度までの宇宙ひもや世代を変える物理とはまた別のエネルギースケールの切り口として、低エネルギーでの物質中におけるスカラー生成や、多重場インフレーションなどの側面から新しい物理に取り組んだ。三位一体性から多角的に解明を目指す課題として十分な進展が得られていると考える。

今後の研究の推進方策

ニュートリノ質量に関わるスカラー場の性質を明らかにしてゆくために、これまでに得られているスカラー場の力学を、実験観測的な側面との関わりと結びつけて取り組む必要がある。とくに暗黒物質の低エネルギー物質中における検出実験および高エネルギー宇宙線における探索実験との関わりが、これまでの取り組みと密接に関わる重要な課題であると考えている。

次年度使用額が生じた理由

感染症等による種々の影響の為。高速計算機器の新たな導入等をおこない研究計画をさらに促進させる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Stellar cooling limits on light scalar boson revisited2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Yamamoto, Koichi Yoshioka
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: 843 ページ: 138027

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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