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2022 年度 実施状況報告書

巡回ライプニッツ則に基づく超対称格子場の理論の実現

研究課題

研究課題/領域番号 20K03966
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 光裕  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80185876)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード場の量子論 / 超対称性 / 確率過程量子化
研究実績の概要

昨年度に引き続き、(1)CLRの高次元場の理論における実現、(2)離散化された確率過程量子化法における超対称性の役割の理解、(3)関連する場の理論の研究について研究を進めた。コロナ禍のため対面での議論などがし難い状況下であったため、それぞれに関して進展の度合いには差がある。
まず(1)に関しては、昨年度の研究で、高次元での実現が自然な方法では難しいことを示していたが、様々な条件の変更によって状況が変わる可能性について追求した。まだ決定的な結論には至っていないが、連続極限で微分結合を含む場の理論に対応する可能性について、一定の知見は得られた。
(2)に関しては、リウェイティング因子を導入することで離散化された段階でも、つまり連続極限をとらなくても、場の理論の相関関数を確率過程の平均操作によって与える方法を構築することができることがわかった。これについては、現在まとめの段階に入っている。
(3)に関しては、数年前から並行して取り組んでいた、弦ジャンクションの共変的量子化に成功し、論文として公表した。これはある種のグラフ上の場の理論のプロトタイプとしても捉えることができ、他の研究と今後関連してくることも期待される。また、この研究の過程で得られた新しい双対性について現在研究準備中であり、こちらも今後興味深い進展が見込まれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

進展がやや遅れている主な理由は、コロナ禍のため対面による議論が大変やり難いためである。理論研究においては、共同研究者との議論が研究の進展にとって欠かせないプロセスであるが、それがかなり制約を受けてきた。また、上記説明中の(1)に関しては、ある条件のもとで否定的な結果を得たため、方針の再検討を余儀なくされたことも効いている。

今後の研究の推進方策

研究成果のところで述べたように、(3)については今後の進展につながるような興味深い結果が得られているため、そこを追求していく予定である。(2)については、現在まとめの段階に入っているので、それを薦める。(1)に関しては、問題点の整理をするとともに、方針の再検討を必要であると考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため、旅費を中心として計画通りの使用ができなかった。次年度は、状況の改善が見込まれるため、共同研究の出張や研究者のセミナー招聘などを見込んでいる。また、新たな研究方向もあり、そのための使用も予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Quantizing a multi-pronged open string junction2022

    • 著者名/発表者名
      Asano Masako、Kato Mitsuhiro
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical and Experimental Physics

      巻: 2022 ページ: 103B01

    • DOI

      10.1093/ptep/ptac125

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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