研究課題/領域番号 |
20K03992
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
溝井 浩 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (30388392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 原子核反応 / 反応断面積 / 励起関数 |
研究実績の概要 |
今年度は、COVID-19に起因する研究活動の自粛と他の研究者との交流の縮小、国際的な物流の滞りが重なったため、計画していた実験装置の設計と製作を進めることができなかった。代替処置として、コンピュータシミュレーションに重点的に取り組んだ。現実の物理的条件(原子核反応の断面積や実験装置の配置、放射線と物質との相互作用など)を可能な限り取り入れたシミュレーションプログラムを構築した。実行に時間を要するモンテカルロシミュレーションであったが、既存のマルチスレッドCPUを効果的に利用することで、限られた時間のなかで十分な統計量のイベントを発生させることができた。 合わせて、コンピュータシミュレーションによって生成したデータを解析するプログラムも製作し、本実験に即したデータ解析を行った。これにより、当初の目論見通りに、γ線のタイミング検出により、原子核反応の励起関数を測定可能なことを確かめた。また、過去の実験データをコンピュータシミュレーションに組み込み、生成したデータを解析することで、過去の実験結果が再現されることも確かめられた。 これら一連のコンピュータシミュレーションの結果をもとに、実験装置の設計を進めていくなかで、合わせて装置の組み立てに必要な部品類の国際的な調達状況を調査し、次年度に調達をできる見込みであることを確認した。 次年度から、部品の発注を順次行い、納品され次第、実験装置の組み立てを進める予定である。順調に組み立てができれば、オフラインでの動作試験を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19による活動自粛と大学での遠隔講義のため、実験装置の製作を進めるための時間が十分に確保できなかったこと、また、世界的な経済活動の停滞のため、装置を製作するための部品類の入手が困難であったことが重なり、計画に遅れが生じている、
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究活動が平常に戻ることが期待されること、また、国際的な物資の供給も回復すると期待されるため、研究を軌道に戻すことができるはずである。 コンピュータシミュレーションによる情報の収集と解析が進んでいるので、これを援用することで、研究の遅れをある程度は取り戻せると想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は仕様の確実に満たす物品の納品が見込めなかったため、すべての発注を見送った。次年度に、今年度に執行予定であった予算と合わせて執行する計画である。
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