研究課題/領域番号 |
20K03992
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
溝井 浩 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (30388392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 原子核反応 / γ線計測 |
研究実績の概要 |
本計画では、ビームがターゲットに入射してから原子核反応を起こしてγ線を放出するまでの時間を測定することで、原子核反応の励起関数を精度よく良く測定するという全く新しい手法を提案している。γ線のタイミングを精度よく測定するための検出器を製作することが、この研究の成否のカギを握っている。これまでに普及しているγ線検出器に関する情報を収集し、本研究の測定装置に組み込むγ線検出器の候補を検討した。LaBr3シンチレータを使った検出器が第一候補となるが、コスト面および潮解性といった扱いやすさの面で難しいことが想定されたた。次の候補として、LBS系統のシンチレータである、LYSOやLSOといったシンチレータについて検討を進めた。これらの検討の結果、最終的にLYSOシンチレータを使った検出器を製作することとした。 シンチレータの素材を検討すると同時に、シンチレータの大きさの検討も行った。高エネルギーのγ線を効率よく検出するためには、シンチレータの体積が大きい方が有利であるが、その反面、時間分解能が悪くなる。特に、LBS系統のシンチレータは屈折率が大きいため、シンチレータ中での光の伝搬速度が遅くなることから、体積の増大による時間分解能の劣化は深刻な問題となりうる。さらに、体積の大きなシンチレータは製作コストも問題になるため、本研究ではコストパフォーマンスの良い大きさの体積になるようにLYSOシンチレータのサイズを決定し、それを複数個使って検出器を構成することとした。 シンチレータからの光を検出する光センサーの時間分解能も重要な検討要素である。各種の光電子増倍管の特性を検討し、今回のLYSOシンチレータの体積に適した感度面積を持ちなおかつ時間分解能に優れた光電子増倍管を選定した。 これらの組み合わせにより、本計画の目的を達成できる検出器の製作の目途が付いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、シンチレータなどの素材の入手に影響が出ることが想定されたが、特に大きな影響を受けることなく入手の目途が付いた。測定装置製作に必要な、他の周辺機器や部品類についても、おおむね順調に調達できている。装置の組み立てやオフライン試験については、本学内で可能なものが大半であり、作業は継続できている。 今後は、加速器を使った試験などで、他の研究機関へ出向く必要が出てくる。感染拡大などの状況になれば、出張が危ぶまれることが予想され、研究計画の遅延が発生する恐れはあるため、なんらかの代替手段も検討しておきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、装置の完成を目指し、検出器の組み立てや試験を進めていく。完成の目途が付いた時点で、加速器施設に対して、検出器試験のためのビームタイムの申し込み手続きなどを進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表や打合せなどが全てオンラインとなり、旅費の支出が不要となったため。これについては、検出器の性能向上のための部品購入費用に充てることとする。
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