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2022 年度 実績報告書

K中間子原子核K-ppのアイソスピンパートナー、K-pn探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K04006
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

佐久間 史典  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (10455347)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード反K中間子原子核 / 量子色力学(QCD) / KbarNN / KbarNNN / 大型ソレノイド検出器 / 中性子検出器 / MPPC
研究実績の概要

本研究では、反K中間子と核子2個が束縛したK中間子原子核「KbarNN」束縛状態のうち、K-pn束縛状態(我々がJ-PARC E15実験で発見したK-pp束縛状態のアイソスピン・パートナー)を探索し、K中間子原子核の構造を明らかにすることを目的とする。K-pn束縛状態はΛnへ崩壊すると予想されるため、効率の良い中性子検出が肝となる。

この目的のため、本研究において、次世代の実験に向けたプラスチック・シンチレーターとMPPCアレイを用いた汎用性の高い中性子検出器の開発を進めた。この中性子検出器は、50x50x750mmのプラスチック・シンチレーター(EJ-200)を、25mm角4x4ーMPPCアレイ(S13361-6050AE-04)により両側から読み出す構造である。信号の読み出しには、新たに開発をしたMPPCアレイ用の小型プリアンプを用いる。本年度は東北大学電子光理学研究センターで電子ビームを用いてその性能評価を行った。その結果、50ps程度の高時間分解能を達成できることを確認し、中性子検出器として十分な性能であることを示した。

本研究で開発した技術は、軽いK中間子原子核の系統的な解明を目指した次世代実験において用いる予定である。そのうち、「KbarNNN」束縛状態の調査を目指したJ-PARC E80実験では、4体のK中間子原子核であるK-ppn束縛状態を、K-4He->"K-ppn"n反応で生ずるK-ppn束縛状態のΛd及びΛpn崩壊を測定することを目指す。同じK-4He反応を用いたハイパー核生成実験であるJ-PARC T77実験(2020年)の解析において、既に我々はΛdn終状態中のΛd不変質量においてK-ppn束縛状態の存在を示唆する結果を得ており、論文出版の準備中である。現在、E80実験で用いる大型超伝導ソレノイド磁石を用いたスペクトロメーターの設計・建設を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] INFN-LNF(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      INFN-LNF
  • [国際共同研究] SMI(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      SMI
  • [雑誌論文] Summary of the<i>K</i><sup>?</sup><i>pp</i>bound-state observation in E15 and future prospects2022

    • 著者名/発表者名
      Sakuma Fuminori et al.
    • 雑誌名

      EPJ Web of Conferences

      巻: 262 ページ: 01008~01008

    • DOI

      10.1051/epjconf/202226201008

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] J-PARCにおける K中間子原子核実験のための 円筒型中性子検出器の性能評価2023

    • 著者名/発表者名
      程田英斗
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春季大会
  • [備考] Sakuma's Homepage

    • URL

      http://ag.riken.jp/J-PARC/sakuma/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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