研究課題/領域番号 |
20K04007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
静間 俊行 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 光量子ビーム科学研究部, 上席研究員 (50282299)
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研究分担者 |
宮本 修治 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 特任教授 (90135757)
稲倉 恒法 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 研究員 (20436249)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 原子核構造 / 電気双極子遷移強度 / 核共鳴蛍光散乱 |
研究成果の概要 |
準単色のレーザーコンプトン散乱ガンマ線や連続エネルギーの制動放射光を用いて鉛原子核の核共鳴蛍光散乱実験を行った。散乱ガンマ線の強度及び角度分布の測定から、鉛204や鉛206に対する双極子遷移の強度を求めた。また、準粒子フォノン模型を用いた理論計算では、実験から得られた離散的なE1遷移強度をほぼ再現する結果が得られ、準連続状態を含む遷移強度を再現するためには、より高い励起状態との結合を考慮する必要があることがわかった。また、励起エネルギー6.5~7.5MeVでは、核表面においてピグミー共鳴に特徴的な振動運動モード、核内部では単一粒子励起に特徴的な振る舞いが現れることがわかった。
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自由記述の分野 |
原子核物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子核の低励起状態の遷移強度や多重極度を実験的に明らかにすることは、電気双極子(E1)遷移や磁気双極子(M1)による正確な遷移強度を決定する上で重要である。特に、低励起エネルギーのE1励起準位は、ピグミー共鳴とも呼ばれ、核表面に現れる中性子スキンと原子核コアとの相互作用に起因した集団運動によるものと考えられており、その微視的構造を明らかにすることにより、有限量子多体系である原子核の理解が進むものと考えられる。さらに、ピグミー共鳴などの低エネルギー遷移の強度は、宇宙元素合成における核種の生成率に影響を与えることからも、ピグミーE1共鳴について明らかにすることは重要である。
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