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2022 年度 実施状況報告書

星形成領域の星間直線偏光三次元空間マッピングによる塵粒子特性・磁場構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K04013
研究機関千葉工業大学

研究代表者

秋田谷 洋  千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (60450186)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード星間偏光 / 可視光 / 赤外線 / Gaia
研究実績の概要

東広島天文台かなた望遠鏡に装着された偏光観測装置HONIRを用いて、おうし座領域およびいて座領域の分子雲の星間偏光測定を行った。いて座領域については、可視Rバンドで得た直線偏光をGaia衛星による恒星距離データと併せることで星間偏光の三次元マッピングを行った。その結果、銀河内磁場の方向が視線に沿って離散的に変化することをつきとめた。当該結果は投稿論文にまとめつつある。おうし座領域についてはデータ解析を進めている。
本課題が狙う星間偏光の三次元マッピングによる研究分野を発展させるために、同様の課題に関心のある国内研究者と研究グループを立ち上げた。毎週定例のリモート会議の他に、2023年3月には広島大学において2日間にわたる対面会議も開催し、研究推進のための議論を活発化している。この活動を通じて、当初予定していたおうし座領域に加え、いて座領域や他の分子雲領域にも観測対象を拡張し、星間偏光の三次元マッピングに基づく磁場・塵粒子特性研究の幅を大きく広げつつある。
データ解析の効率化のために、研究グループの協力も得て解析ツールの整備を進めた。具体的には、Python言語を用いた画像一次処理プログラム群を整備した。また、既存の偏光データ解析パイプラインツールの課題を精査し改善につなげた。偏光測定データの精度・確度に大きく関わる較正観測についても手法と取得データの扱いについて精査した上で改善を行い、解析結果の信頼性を高めた。これらの整備は、今後の本課題推進の上で基盤となるものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画では、SDSS仕様のバンドバスフィルターを新規製作の上でHONIR観測装置に設置して用いる予定であった。しかし、光学素子の特注製作の納期の見込みが立ちづらい状況であった。また、HONIR観測装置の運用の都合上、本年度はフィルターの設置作業のためにまとまった装置停止期間を確保することが難しかった。そこで、当初想定する波長帯とは若干異なるが、すでにHONIR装置に装着されている既存のJohnson-Cousin規格のバンドパスフィルターを用いて、まずは早期に観測データを取得する方針に切り替えた。そのため、SDSS規格バンドパスフィルターの導入は2023年度に実施することとした。

今後の研究の推進方策

取得した星間偏光データの解析とその論文化を行う。また、すでに完了した観測ではRバンドの解析に留まっているが、ダストサイズも考慮した星間偏光の三次元マッピングのためには、他の波長帯の偏光測定から偏光の波長依存性を導出することが必要となる。そのため、他の波長帯(可視・近赤外線)の観測を追加する。
一方で、当初目標としていたSDSS仕様のバンドパスフィルターの装置への導入を行い、これらのフィルターを用いた観測も実施する。

次年度使用額が生じた理由

納期等の事情でSDSS規格フィルターと関連する機器類の導入が難しい状況にあったことから、その製作・購入を次年度に延期した。また、海外への渡航が困難な時期であり国際研究会への現地参加も見合わせた。そのために物品購入費と旅費の多くを次年度使用額に繰り越すこととなった。
次年度には、これらの物品購入と旅費に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] かなた望遠鏡可視偏光サーベイ:Sagittarius銀河腕中の3次元磁場構造(I)2023

    • 著者名/発表者名
      土井靖生, 中村謙吾, 川端弘治, 松村雅文, 秋田谷洋
    • 学会等名
      日本天文学会2023年春季年会

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公開日: 2023-12-25  

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