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2020 年度 実施状況報告書

ALMAで探る大質量星形成領域における窒素を含む複雑な有機分子の起源

研究課題

研究課題/領域番号 20K04025
研究機関電気通信大学

研究代表者

酒井 剛  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20469604)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード星形成 / 大質量星 / 星間分子 / ALMA
研究実績の概要

本研究では、大質量星形成の極初期段階にあると考えられる天体をアルマ望遠鏡で観測し、その化学組成を明らかすることで、大質量星形成領域における窒素を含む複雑な有機分子の起源を解明する。2020年度は、新型コロナウイルスの影響により、アルマ望遠鏡の観測提案の募集が実施されなかった。そのため、2020年度は既存のデータ解析のみを行った。
まず、アルマ望遠鏡によって観測する天体の選別をより詳細に行った。観測対象の天体は、70ミクロンで暗く見える赤外線暗黒星雲である。これまでにアルマ望遠鏡によって観測された70ミクロンで暗い赤外線暗黒星雲12天体のデータを調査した。アルマ望遠鏡で観測する天体として、70ミクロンで暗い赤外線暗黒星雲で観測された星形成が起きている高密度分子雲コアの中から、以下の条件を満たす天体を選んだ。1)質量が5太陽質量以上、2)コンパクトなCH3OH輝線が検出されている。2)分子流が観測されている。3)H2CO輝線から求めた温度が50 K以上。これらの条件を満たす天体は9天体あり、それらをアルマ望遠鏡で観測することとした。
また、アルマのアーカイブデータから進化の進んだ大質量星形成領域であるG358領域の観測データをダウンロードし、化学組成について解析を行った。その結果、分子雲コアによって複雑な有機分子の存在量に違いが見られることがわかった。今後、さらに他の大質量星形成領域の観測データについても解析を行い、進化の進んだ天体の化学組成の多様性について調べる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は、アルマ望遠鏡を用いた観測によって大質量星形成領域での窒素を含む複雑な有機分子の起源を明らかにする
ことである。2020年度は、新型コロナウイルスの影響によりアルマの観測提案の募集が行われなかった。そのため、新たな観測を行うことができておらず、当初の想定より進捗は遅れている。しかし、これまでに観測されたデータの解析を行うことで、研究は進展している。

今後の研究の推進方策

2021年度はアルマ望遠鏡の観測提案の募集が実施されるため、アルマ望遠鏡を用いた70ミクロンで暗い赤外線暗黒星雲に対する観測を提案する。観測が採択されれば、観測データの解析を行う。また、既存の進化の進んだ大質量星形成領域の観測データの解析を行い、進化の進んだ天体で化学組成に多様性が見られるのか調査する。また、小質量星形成領域のデータ解析も行い、比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は新型コロナウイルスの影響により、アルマ望遠鏡の観測が行われなかった。そのため、解析用のパソコンの購入を次年度に遅らせた。2021年度に解析用のパソコンを購入予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The ALMA Survey of 70 μm Dark High-mass Clumps in Early Stages (ASHES). II. Molecular Outflows in the Extreme Early Stages of Protocluster Formation2020

    • 著者名/発表者名
      Li Shanghuo、Sanhueza Patricio、Zhang Qizhou、Nakamura Fumitaka、Lu Xing、Wang Junzhi、Liu Tie、Tatematsu Ken’ichi、Jackson James M.、Silva Andrea、Guzm?n Andr?s E.、Sakai Takeshi、Izumi Natsuko、Tafoya Daniel、Li Fei、Contreras Yanett、Morii Kaho、Kim Kee-Tae
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 903 ページ: 119~119

    • DOI

      10.3847/1538-4357/abb81f

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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