大質量星形成領域で観測される複雑な有機分子の起源を調べるため、アルマ望遠鏡を用いて、様々な進化段階にある大質量星形成領域の観測を行なった。重水素化分子輝線の観測の結果、大質量星形成の初期状態には多様性があること、また、小質量星形成の初期状態に比べ、温度が高くなり得ることがわかった。また、大質量星形成領域において、窒素を含む複雑な有機分子の存在量にばらつきが見られたが、そのばらつきの起源は、星形成前の初期状態の違いではなく、星形成後の性質の違いである可能性が示唆された。大質量星形成領域における窒素を含む複雑な有機分子の起源には、ダストの加熱過程が関係していると考えられる。
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