研究課題
基盤研究(C)
あかつきIR1カメラが撮像した金星夜面の画像を用いて,金星地表の放射率を推定した.あかつきIR1のデータを精査することで,データの多くが迷光の影響を受けていることが確認されるとともに,放射輝度の較正にも問題のあることが明らかになった.迷光の影響が比較的に小さいデータを選別して地表放射率の推定をおこなったが,較正の問題から定量的な議論をおこなうことはできなかった.迷光補正手法の確立と放射輝度較正のやり直しが必要とされる.
惑星科学
金星探査機あかつきが取得した金星夜面のデータは,迷光や放射輝度較正といった問題を抱えているが,それらを補正することで金星地表物質に関する情報を抽出できる可能性がある.金星の地表物質を推定することは,地球の双子とも呼ばれる金星の表層環境が地球と大きく異なっている理由や,地球のような生命を育む惑星が形成される条件を解明することにつながる.宇宙における知的生命の存在確率を議論するための基礎となる知見を創出するものである.