炭素質隕石に対して衝突実験を行い、生じたクラックの3次元分布をX線CT撮像(衝突前後に撮像)から明らかにした。その結果、CM隕石においては、クラックは、コンドリュールの境界に関係なく成長することが分かった(水質変成を受けた部分の強度が弱くなり、そこにクラックが存在している)。一方、衝突でない、熱疲労でクラックが生じる場合、熱膨張率の違いから、クラックはコンドリュールの境界に沿って成長することが知られている。将来、CM隕石と同じ物質であろう小惑星ベンヌから持ち帰られるサンプル粒子を調査し、今回の実験結果と比較することで、小惑星ベンヌの表層の形成過程を推定(衝突か熱疲労か)することができる。
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