研究課題
宇宙空間・磁気圏から地球に降り込む電子の影響を活用した超高層大気の質量密度の新たな計測手法を確立することにより、超高層大気の寒冷化や沈降などの長期的変化の描像を明らかにすることを目的として、令和4年度には以下の内容に実施した。(1)EISCATレーダーとELFIN衛星の同時観測イベントの抽出及びリスト化。降下粒子のピッチ角の違いによるミラー力の影響を考慮する必要があることが明らかになったため、これまで研究に用いてきたDMSP衛星データからELFIN衛星データに変更して解析を進めた。EISCATレーダーとELFIN衛星の同時観測で得られた約20例の降下粒子イベントを基に、超高層大気の質量密度の推定可能性を調査している。ミラー力の有無による超高層大気衝突率の違いに関する研究成果については、学術雑誌に現在投稿中である。(2)脈動オーロラ発生時の電子密度分布の調査。様々なタイプ(構造)の脈動オーロラに対して、EISCATレーダーから得られる電子密度分布を用いることにより、イオン化学モデルを調査・検証した。その結果、パッチ状の脈動オーロラが支配的な領域において、モデルとEISCATの電子密度がよく一致することが判明した。ただし、降下電子フラックスに関しては、脈動オーロラのタイプの違いにより、両者に大きな違いが生じることも明らかになった。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Annales Geophysicae
巻: 40 ページ: 1~10
10.5194/angeo-40-1-2022
Journal of Geophysical Research: Space Physics
巻: 127 ページ: e2021JA030062
10.1029/2021JA030062