研究成果の概要 |
3次元スペクトルスペクトルメカニステック大気大循環モデル(MCM)の構築に成功し, その成果を発表した論文は, 論文賞も受賞するなど, 学会でも高く評価されている. これを用いた大気力学研究に対する新たなアプローチの成果として, 先行研究のベンチマーク実験設定でQBO(準2年振動)的振動が生じるかどうかを調べ, さらに差分法のモデルとの比較により, QBO的振動が発生するかしないかは, 鉛直離散化手法および解像度に大きく依存することを明らかにした. また, 派生的研究として, 2022年のトンガの噴火で検出されたPekerisモードに関して, その等価深度を精密に与える手法を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築された3次元スペクトルスペクトルメカニステック大気大循環モデルは, 鉛直方向に差分法を用いる従来のモデルに比べて精度的に優れているため, 将来的に天気予報モデルにこの手法が応用される可能性もあり, それが実現すれば社会的意義は大きい. また, この定式化は数学的に簡明であり, この定式化を用いた線形固有値解析などが比較的容易であるため, 大気力学研究に新たなアプローチを可能にするという意味で, 学術的意義も高い.
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