研究課題/領域番号 |
20K04073
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
安中 さやか 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 副主任研究員 (80620393)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 北極海 / 二酸化炭素 |
研究実績の概要 |
北極海はCO2吸収域として知られているが、長く氷に閉ざされた北極海での観測は非常に困難で、地球温暖化に伴う環境変化に対して、北極海のCO2吸収量がどのように変化するのかは、よくわかっていない。本研究では、最新の観測データに基づく推定の更新と、数値モデル実験結果との比較を通して、CO2吸収量がいつどこでどのくらい変化しているのかを明らかにする。本研究の結果は、地球全体の炭素収支の定量化、ひいては地球温暖化の将来予測の不確実性低減につながると期待される。 これまでの研究により、観測データが多ければ多いほど、推定値の不確実性が小さくなることがわかっている。そこで、国際的なデータベースSOCAT(The Surface Ocean CO2 Atlas)から、最新の海洋CO2分圧の観測値をダウンロードし、大気海洋間CO2交換量推定の更新を行う。2020年度は、推定期間を2014年12月までから2018年12月までに拡大した。 一般に、推定値は、その手法により、系統的な誤差を生みやすいが、異なる方法による推定結果を合わせて解析することにより、不確実性を小さくすることができる。そこで、広域の大気海洋間CO2交換量の推定結果や、数値モデルによる計算結果を用いることで、北極海における大気海洋間CO2交換量に関して、いつどこでどのくらいの変化が起こっているのかを定量的に明らかにする。また、推定値の差が大きい場合には、その要因を調べ、推定方法の改善を模索する。2020年度は、米スクリプス研究所や独マックスプランク研究所、海洋研究開発機構の研究者から推定結果の提供を受け、相互比較を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たなデータを用いた推定の更新、他の推定値との相互比較ともに、当初の予定通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、国際プロジェクト地域炭素収支評価RECCAP2の枠組みで収集予定の、全球の二酸化炭素交換量の推定から北極海の結果を切り出して、相互比較に使用する予定である。当初の計画に比べて、データ提出が遅れている機関もあり、全ての推定結果が揃わない可能性も否定できないが、提出済みのものから順次、相互比較を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会や会合に出席するための、旅費と学会参加費を計上していたが、全て中止や延期、オンライン開催になり、参加費が無料もしくは格安になり、旅費も不要になったため。2021年度以降は、順次、現地開催が再開される予定であり、それらの参加費や旅費として使用する。
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