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2022 年度 実施状況報告書

キラウエア火山の割れ目噴火の解析による噴火直前予測に向けた地震学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04078
研究機関茨城大学

研究代表者

山田 卓司  茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (20580939)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードキラウエア火山 / 地震 / 破壊過程 / 火山性流体 / 破砕
研究実績の概要

昨年度に引き続き、キラウエア火山下でのマグマの貫入に伴う地下の破砕状態の時間・空間変化を推定するため、地震波形を用いたコーダQ値の解析をすすめた。現在のところ、2009年以降、徐々に浅部の破砕が進んでいることを示唆する結果を得ている。特に、2-4Hzの周波数帯において時間変化が顕著であることから、強く破砕されている領域が数km程度の大きさを持っていることが示唆される。また、2009年以前のデータ解析のためには、データのフォーマット変換作業が必要なため、それを行うためのプログラム開発にも着手した。
さらに、キラウエア火山での結果との比較と考察のため、キラウエア火山と同様に火山性流体(マグマ)の貫入に伴う地震活動があった伊豆半島東方沖について、中規模地震の破壊過程の解析をすすめた。その結果、地震の破壊過程と発生場所に明瞭な相関が見られ、過去に火山性流体の貫入があった地域に隣接した地震のみ、破壊過程が単純であったことが明らかとなった。すなわち、マグマ貫入に伴う地下の破砕の時間変化は、地震波形の解析により推定が可能であることが強く示唆された。本研究の結果はJpGU2022および地震学会秋季大会にて発表を行い、現在投稿論文の執筆中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍によって現地での地震波形データの取得と利用許可申請にやや遅れが出ている反面、伊豆半島東方沖の地震解析において当初予想を上回る進捗があったから。

今後の研究の推進方策

コロナ禍に加えて、ハワイ火山観測所に勤めていた地震研究者の退職に伴い、現地での地震波形データの取得とデータ使用許可取得にやや遅れが生じているが、コロナ禍に伴う渡航の障壁もなくなりつつあるため、引き続き円滑なデータ取得に努力する。加えて、現在執筆中の論文を学術論文として出版することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、ハワイ島への渡航が困難であったことはもちろん、学会等での対面による研究の議論にも支障を来したため、当初旅費として使用予定であった研究費に次年度使用額が生じた。また、遠隔講義に伴う新たなオンライン授業の準備など、コロナ禍により校務負担が急増したこともあり、解析結果を論文として出版するための原稿執筆時間が十分にとれず、論文投稿のための研究費も次年度使用となった。今年度も粛々と研究をすすめ、当初計画が円滑に進められるよう努力する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] SSS07-P21 伊豆半島東方沖の2006年、2009年群発地震活動における火山構造性地震の震源過程の特徴2022

    • 著者名/発表者名
      田中夕香子・山田卓司
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2022年大会
  • [学会発表] S08-03 伊豆半島東方沖における2006, 2009年群発地震活動の震源過程の特徴と過去の地震活動域との関係2022

    • 著者名/発表者名
      田中夕香子・山田卓司
    • 学会等名
      日本地震学会2022年度秋季大会

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公開日: 2023-12-25  

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