領域大気モデルを用いて25年分の暖候期を対象としたアジア域20km解像実験を実施し、梅雨期の6月における降水量バイアスを解析した。西部北太平洋上の高気圧性循環に起因する移流バイアスとチベット高原付近を起点として中緯度を伝播する高度場バイアスが、梅雨前線上降水量の再現精度を左右した。全国的に猛暑であった2010年について、20km実験の内側にチベット高原上4㎞解像領域を設定した20km-4km実験を実施した。20㎞実験と比較し、20km-4km実験では高原上の対流活動が活発であった。対流圏上下層での高気圧の発達がより適切に再現され、日本を含む東アジア域の低温バイアスを20-50%改善した。
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