研究課題/領域番号 |
20K04105
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 寛 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (90553074)
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研究分担者 |
北田 数也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭技術開発プログラム), 主任研究員 (00539786)
多田 訓子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 研究員 (00509713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | UAV / 遠隔探査 / 電場測定 / Magnetotelluric / 火山調査 |
研究実績の概要 |
火山山頂部および火山島は噴火予測や火山活動そのものの理解において重要な観測域であるにも関わらず、アクセスの困難さおよび安全面から「観測の空白域」であることが多い。特に、ケーブルを展張しての設置が必要となる地球電場において、観測の難易度は高くなる。このため、本研究はUAV(ドローン)を用いた地表設置による電場観測を実現し、これらの難観測域における電気比抵抗構造の解明を可能にすることを目的とする。具体的には、UAV本体に取り付けた電極とUAVに吊したケーブルの先に取り付けた電極を距離を開けて着陸させ、電極間の電位差を測定してMagnetotelluric法の電場データとして活用する構想である。 2021年度は、UAVによる運用の基礎試験および測定機器の試験を実施した。UAVの飛行試験は、COVID-19感染症による行動規制により、分担者が所属する研究機関のある横須賀市内の比較的人工物の少ない地域において実施した。この試験により、機材を模した錘を吊した状態での飛行、着陸の際の制御方法などの検証を行った。次に、簡易な電場ロガーを用いた高サンプリングレート(1024 Hz)での電場測定の試験を行い、問題なくデータが取得できることを確かめた。また、および埋設しないで電場を観測するための設置素材の検討をおこなった。一方で、研究開始当初購入を予定していたUAVが販売停止となり、また、セキュリティ問題により購入可能なUAVに制限が生じたことから、購入する得UAV機種の再選定を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に生じた購入を想定していたUAVの販売停止、およびセキュリティ問題による購入可能なUAVの制限によって、実際の観測に用いることが可能なUAVの予算内での購入が困難な状況となっている。このため、2021年度もUAVの購入ができていない。また、COVID-19感染症の影響により、2020年度に引き続き観測に制限が生じており、2021年度は横須賀市内での限定的な試験のみ実施した。したがって、本年度の研究は想定よりもやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は実際のフィールドに環境の近い御嶽山山麓部にて観測試験を実施する。また、電極を埋設しない方策の電場の観測試験を実施する。 さらに、UAVへの装置の装着、電場測定装置の展開方法の検討、配置した電極の配置(電極間距離および方向)の計測を他のUAVを用いて測定する方法を確立する。これにより、本研究の目的である遠隔地での電場観測に必要な技術要素の全てを確立することを目指す。ただし、予算内でのUAVの購入が困難になることが予想されることから、実際の難観測地域での電場観測は実施しない可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していたUAVが販売中止となった等の問題のため、2021年度にUAVを購入することができなかった。このため、2022年度にUAVを購入するため繰り越しが必要よなる。また、COVID-19の影響により野外調査を一部延期したため、繰り越しが生じた。
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