本課題は地殻・マントルの電気伝導度と虚部のインダクションベクトルの関係を研究した。2次元的構造における海陸境界と地殻・マントルの高伝導体では虚部のインダクションベクトルは表皮深度に対応して海水や高伝導体の方向を指向し、構造の特徴を良く反映する。しかし、陸地が海域に囲まれるような3次元的な構造では、虚部のインダクションベクトルは短周期だと海域を、長周期だと陸地の中心を中間周期では、海陸境界に平行な方向をそれぞれ指向する。東北地方の観測による周期5000~10000秒の北向き虚部のインダクションベクトルは北海道西部の最上部マントル付近に高抵抗のブロックを置くと説明できる可能性がある。
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