沈み込みプレート境界のマントル深度において非定常挙動の要因となりうるかんらん石の粒界すべり(GBS)クリープの実態解明のため、天然かんらん岩(三波川帯東赤石かんらん岩体と日高帯幌満かんらん岩体)を用いて構造解析を行った。電子線チャネリングコントラストイメージング(ECCI)を利用した転位観察法に取り組み、試料処理の最適条件を探って非破壊で転位を可視化することに成功した。また、幌満岩体の衝上時に形成された細粒橄欖岩組織に多様な動的再結晶過程を経て粒径依存型クリープ(GBSクリープと拡散クリープ)へ遷移した事実を明らかにした。特に、反応を伴う細粒化の実態を天然のマントル岩石において初めて見出した。
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