本邦の大規模な噴火を見ると、例えば桜島大正噴火のクライマックス、プリニー式噴火で大量に放出されたマグマは安山岩組成であった。2013年に始まり現在も続く西之島噴火で放出されているマグマも安山岩組成である。このように、本邦のようなプレート沈み込み帯の火山弧では安山岩マグマが大量に噴火している。こうした安山岩マグマ噴火のメカニズムを理解するのに必要な安山岩マグマへの水の溶解度データを、この研究は新たに提供することができた。この成果は、安山岩マグマ噴火が事象としてどのように時間発展するかの予測や噴火災害の減災に役立つものであり、特に本邦のような沈み込み帯の火山弧における社会的意義は大きい。
|