過去に巨大噴火を起こし、マグマだまりの化石 (花崗岩体) が地表に露出している大崩山において広帯域MT観測を行った。既存点もあわせて100点のデータを用いた比抵抗構造推定を行い、地表のリング状貫入岩体の分布に対してやや広がりをもった3000Ωm前後と高比抵抗な異常体を推定した。これは地下で固結したマグマと解釈でき、その体積は少なくとも3000 km3以上と結論した。大崩山のマグマの噴出量がおよそ370 km3と推定されることから、地表に噴出したマグマは生産されたマグマ全体のおよそ1割程度となる。
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