研究課題/領域番号 |
20K04146
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
神谷 隆宏 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (80194976)
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研究分担者 |
小沢 広和 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20632045)
Smith Robin 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (70416204)
蛭田 眞平 独立行政法人国立科学博物館, 分子生物多様性研究資料センター, 特定非常勤研究員 (80624642)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生殖的隔離 / 貝形虫 / 種分化 / 精子形態 / Cythere上科 / 節足動物 / Cypris上科 |
研究実績の概要 |
最終年度も引き続き、cythere上科貝形虫の精子形態の多様性と種の多様性について調査を継続した。特に精子形態の変異が種間・属間・科間で小さいCypris上科貝形虫と、その対極にあるCythere上科貝形虫の比較検討が詳細になされた。これは、研究代表者の神谷が2022年5月14日から15日にかけて滋賀県琵琶湖博物館の研究分担者スミスを訪問し、実施された。また、研究期間中に研究分担者の蛭田により同属異種間の遺伝子解析がなされ、近縁種における系統が判明したことにより、直接的祖先-子孫間の精子形態が大きくジャンプする事実の発見は本研究に重要な知見をもたらした。一方研究分担者の小沢は化石記録を獰猛に調査し、更新世の間に生じた近縁種間の種分化・進化の実態を明らかにした。
また、これまでの2年間の研究結果と合わせて、精子形態が生物の種分化・進化において重要な役割を持つかどうかを議論するシンポジウムを開催した。2022年7月1日に金沢大学をホスト校として、オンラインによる日本古生物学会2022年年会・総会が開催され、学会冒頭の記念シンポジウムで「節足動物の進化学ーデザインと種の超多様性」が議論された。研究代表者の神谷はコンビナーとしてプログラム全体を立案・組織し、趣旨説明を行った。また、研究分担者のスミスは"Variation of ostracod spermatozoa and their characteristics - possible key to speciation"と題した講演を神谷と共同で行った。この講演を含む6つの講演ののち、シンポジウムの総合討論及びその後の講演者・研究者との議論により、昆虫の精子形態の多様性と種分化など、節足動物の多様性の要因が話し合いされ、精子形態の役割も多様性の重要な鍵になろうとの結論をえた。
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