研究課題/領域番号 |
20K04148
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 初期被子植物 / 進化過程 / 花粉化石 / 前期白亜紀 / 東・東南アジア |
研究実績の概要 |
花粉抽出を行なった試料の一部から既に,豊富な胞子・花粉群集の存在を確認出来た. 蝦夷層群の白亜紀中頃の試料から,Normapollesグループの形態を示す被子植物花粉が見つかり,新属を提案した(学術論文を2021年4月に投稿;現在査読中)。Normapollesグループは,ヨーロッパの白亜紀中頃から出現し,後期白亜紀の北半球の花粉群集の中で最も多く見られるグループだが,今までの研究では、後期白亜紀カンパニアンまでの東アジアの地層における報告がなかった。 尚,蝦夷層群から発見した花粉はNormapollesの出現時期の初期にあたる上で,一般的なNormapolles花粉に見られない構造を持つ.それらの形態の特徴から原始的な被子植物やNormapollesの初期進化過程,類縁について新たな仮説を上げた.今後の蝦夷層群の花粉分析及び,先行研究の再検討から本仮説を確定出来ると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採集済みのタイ・ベトナム・中国試料に加え,北海道蝦夷層群試料の花粉分析を進めている. 東京で実地された緊急事態宣言と,2020年10月に研究代表者が東京大学から静岡大学に移動したため,花粉抽出実験が遅くなった.静岡大学の実験室設置を進め,実験を再開した.現在,持っている試料の大半の実験が済んでおり,観察及び同定作業を進めている. 尚,2020年度に予定していた南中国・タイ・ベトナム・フィリピンの現地調査は,新型コロナウイルス感染拡大のため2021年以降に延期することにした.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の新型コロナウイルス感染拡大状況を測りつつ,2021年度に予定していたベトナム・フィリピンの調査を考えているが,現時点では,状況の進展が見れないため,共同研究者からの試料郵送を依頼し,花粉分析を行う予定である. 岩手県宮古層群の調査については,当初の計画通り行う予定である.尚、海外調査を行えなかった場合は,国内調査(前期白亜系物部川層群など)の追加を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に予定していた南中国・タイ・ベトナム・フィリピンの現地調査は,新型コロナウイルス感染拡大のため延期することとした.そのため,2020年度の調査用の経費として次年度使用する.
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