研究課題/領域番号 |
20K04174
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
LEI XIAOWEN 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (50726148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 格子欠陥 / ナノ炭素材料 / 曲面設計 / 幾何学と力学融合 |
研究実績の概要 |
本年度では、理想的な平面上のGS の一部に原子除去、原子付加で正と負の回位と転位配列を導入し、平面から曲面への遷移過程のシミュレーションし、原子構造の初期配置構造を安定化した。同法で、格子欠陥を階層的に導入することによる自発曲率を形成し、様々な特徴的な面外変形が発生し、周期的な構造が見られた。炭素原子間の距離、応力やエネルギー状態が変化し、材料の物性が変化を起こす。数理融合モデルの橋とする曲率は離散の格子構造を連続的な曲面に近似し、格子欠陥を滑らかな曲面の特異点として考慮し、微分幾何学の第一基本形式と第二基本形式を用いて、主曲率を曲面の幾何学的な特徴の代表として、近似曲面の固有曲率を平均曲率とガウス曲率に分けて考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りでシミュレーションと理論計算を進んで、二次元弾性論に基づく従来の転位論では評価できなかった面外変形に対する力学を構築するために、まず低次元ナノ炭素構造体に五員環と七員環からなる正と負の回位と転位配列を紙模型より原子モデルを構築した。さらに、学術論文1篇が掲載され、国際会議発表4件がある。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に考案した転位配列と回位双極子の原子モデルを用いて、分子動力学法より構造全体の応力とエネルギーを定量的に考察する。線形論に基づく古典的な転位論では、このような場は単なる重ね合わせによって評価できるが、低次元材料では面外変形によって、上に、下に凸といった解の唯一性が破綻するだけでなく、幾何学的な非線形性が本質的に重要になるため単なる重ね合わせでは評価できない可能性がある。Eshelby 格子理論でエネルギーとその二次こう配の応力分布、配置力(conguration force)の等価性を証明し、近似的に連続体力学理論の定式化を行う。一方、微分幾何学で得られた曲率とサイトポテンシャルエネルギー、サイト応力の関係をプロットし、最小二乗法による近似曲線で示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染予防のため、学会の参加は全てオンラインになったために、交通費の余りが発生した。
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