研究課題
格子欠陥の配置や構造によって、炭素原子間の距離やエネルギー状態が変化し、低次元炭素材料の物性が変わることを機能として利用できる。理想的な炭素材料の格子構造は六員環で構成され、格子欠陥ではこれが五員環や七員環の組み合わせで表現され、格子欠陥の階層性がある。本研究では、格子欠陥を有する低次元ナノ炭素材料の力学機能曲面設計論の確立とその階層性の解明により、数学との双対性に基礎を置く格子の曲率を基本とした変形力学理論の構築を目的とした。さらに、低次元ナノ炭素材料の材料特性を改良する新な形状付与技術を明らかにした。具体的には以下です。1.低次元ナノ炭素材料の可展面に六員環の周期的配列が写像された低次元ナノ炭素構造体の完全結晶に、格子欠陥を階層的に導入することによって形成される構造を安定解析し、面外変形のメカニズムを自発曲率の変化として理解した。2.ナノ構造に特有の格子欠陥の機能曲面設計論を構築し、格子欠陥を幾何学的に表現化した。3.転位配列と回位双極子の等価性を論じ、ナノ積層構造を有するグラファイトに曲面設計論を応用し、積層構造体に普遍的な強化原理・格子制御原理の構築と予測をした。ナノ材料に特有の力学の機能曲面設計論の確立を目指し、格子欠陥の階層性に着目し、微分幾何学とナノ力学の双対性に基礎を置く低次元構造体の格子曲率を基本とした変形力学理論の定式化を目指した。国内学会と国際会議で研究成果を発表し、学術論文を掲載された。
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すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Nanomaterials
巻: 12 ページ: 903~903
10.3390/nano12060903
Computational Materials Science
巻: 211 ページ: 111487~111487
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http://mech.u-fukui.ac.jp/~nano_lab/